アップルは、AI時代に対応した実用的なパーソナルアシスタントとしてSiri AIを提供開始したと発表しました。しかし、業界の関心はすでに、ユーザーの代わりにタスクを実行する「エージェント型アシスタント」へと移っており、アップルは再び後れを取る可能性が指摘されています。
Siri AIの現状と評価
Siri AIは現在もベータ版として位置づけられており、提供開始から1か月余りが経過しました。
- 実用性は大幅に向上した一方、簡単な質問への回答にも時間がかかる場合があるということです。
- 筆者は、サンフランシスコ出張のホテル代や目的地までの距離を正確に回答した事例を挙げ、情報検索の利便性が向上したと評価しています。
- 過去のメールやメッセージから連絡先情報を探し出す用途でも活用が進んでいるということです。
ただし、こうした機能は2024年時点のAIアシスタントが実現できた水準にとどまるとの見方もあります。
エージェント型アシスタントへの移行
OpenAI、Anthropic、Meta、xAIなどの企業は、質問への回答にとどまらず、ユーザーに代わって実際のタスクを遂行する製品の開発を進めています。
- ファイルの作成・編集・整理や、ログイン済みのウェブサービスとの連携を自動で行う機能が登場しています。
- こうしたツールは数週間単位で大幅な更新が行われる一方、アップルは年次のソフトウェア更新サイクルに縛られがちだということです。
アップルが持つ強みと今後の課題
現在のエージェント型アシスタントには、タスク遂行に必要な権限や文脈情報をユーザーが明示的に提供しなければならないという制約があります。
アップルは、プライバシー保護で築いてきた信頼を活用し、ユーザーの状況をリアルタイムで把握する機能の実現を目指す方針です。
- 先月、Apple Watch向けに、会話の要約を自動生成する「Siri Recap」と、聞き逃した直近15秒の会話を再生する「Live Rewind」を発表しました。
- 両機能はApple Watchのマイクを通じて周囲の情報を取得するため、プライバシーへの影響が懸念されています。
- アップルは、参照画像システムの開発事例を挙げ、プライバシー課題への対応に注力する姿勢を示しています。
今後は、モデルの性能向上よりも、ユーザーがどこまで情報提供を許容するかがアシスタントの有用性を左右するとみられています。アップルは、生成AI競争の初期と比べて、次の段階で競争する上で有利な立場にあるとしています。
