AIウェブブラウザ「Dia」は、その前身である「Arc」からインスピレーションを受けた機能を導入する方針です。「Arc」は、スタートアップ「The Browser Company」が開発したウェブブラウジング体験を近代化するための初期の試みでした。
The Browser Companyの創設者であるジョシュ・ミラー氏は、日曜日に、AIブラウザ「Dia」が「Arc」の人気機能を取り入れると発表しました。これにはサイドバーモードなどが含まれ、AIネイティブの機能であるメモリやエージェントと組み合わせるということです。
「Dia」は、アトラシアン社によって6億1000万ドル(約946億円)で買収され、AIブラウザ競争で優位に立つ可能性があるということです。これは、「Arc」の開発から得た知見を活用することができるからです。
「Arc」は、2023年中頃に現代のインターネット利用に合わせたブラウザとして発表されました。仕事用と個人用のブラウジングを分けたワークスペース、ピン留めタブのサポート、AppleのSpotlight検索のように機能するコマンドバー、検索バーやタブリスト、ユーザーブックマーク、オーディオコントロールを含むサイドバーが特徴でした。
しかし、ミラー氏は「Arc」が多くの人にとって複雑すぎたと認めています。「Arcは新しいことを学ぶのが多すぎて、得られる報酬が少なすぎました。さらに、コア機能やコアバリューに一貫性が欠けていました」とブログ投稿で述べています。その結果、「Arc」をオープンソース化し、「Dia」の開発に注力する方針を示しました。
「Arc」は広く採用されなかったものの、現代のブラウザ機能に関する洞察を1年以上にわたり提供しました。これが「Dia」の機能開発に役立つ可能性があるということです。
ミラー氏は「DiaのアーキテクチャはAI、スピード、セキュリティに優れています」と述べ、「Arc」のサイドバーモードなどの人気機能を導入する予定です。「Dia」は、Google Meetをタブを切り替えた際に自動でピクチャーインピクチャープレイヤーにする機能やカスタムキーボードショートカットなど、他の「Arc」の人気機能も既に追加しています。
また、「Dia」はアトラシアンのJiraや他のアプリとの統合を深める方針です。ミラー氏は、2026年に向けて「Dia」モバイルアプリの更新を検討していることも明らかにしました。
アトラシアン社による買収後も、The Browser Companyは独立して運営を続けています。そのため、ミラー氏は「Dia」に「Arc」の人気機能をさらに追加することができると述べています。
