アメリカのスタートアップ企業「Polar」は、知的労働者(ナレッジワーカー)向けのAIを搭載した新たなウェブブラウザを開発し、初期段階の資金調達(シードラウンド)で570万ドル(約8億8000万円)を調達したと発表しました。
IT業界では近年、AIを組み込んだブラウザの開発競争が激化していましたが、一般消費者向けのサービスは普及に課題を残していました。現在、開発の焦点はAIが自律的に作業を行う「エージェント機能」や業務の自動化へと移行しています。
こうした中、AI検索エンジン「Perplexity」の元社員であるケビン・ジャンCEOが率いるPolarは、営業や採用、マーケティングといった知的労働に特化したブラウザを開発しました。ジャンCEOは、一般消費者が旅行予約などのために毎日AIブラウザを利用する需要は限定的だったと指摘し、ビジネス分野での活用に注力する方針を示しています。
新たに開発されたブラウザでは、ユーザーが開いているタブの情報を基にAIエージェントにタスクを割り当てたり、作業手順を自動化したりできるということです。専門的な技術知識を持たないユーザーでも容易に利用できる設計となっています。
利用料金は原則無料で、毎日のAIタスクに応じた一定の利用枠が付与されます。より多くの機能を利用したいユーザー向けには、月額20ドル(約3100円)からの有料プランを提供する方針です。
同社によりますと、現在の利用者の多くは、日常的なウェブ閲覧には別のブラウザを使用し、業務の自動化に特化してPolarを活用しているということです。同社は今後、自動化ツールとしての基盤をさらに強化していくとしています。
今回の資金調達を主導した投資会社「Madrona」の担当者は、知的労働者向けのタスク自動化は巨大な市場であると指摘しています。その上で、ユーザーがログインした状態のウェブサイト上でAIエージェントを確実に動作させるためには、ブラウザ型のツールが大きな強みを持つと評価しています。
