DeepSeek Harnessチームは、より自律的なAIエージェントシステムの設計を探る技術記事を公開し、研究用プロトタイプ「dsh-superagent-prototype」をMITライセンスでオープンソース化したと発表しました。完成品ではなくエンジニアリング向けの研究プロトタイプだと明言しています。社内ではすでに、バグの再現やコードレビューに参加するインスタンスが稼働しているということです。
ポイント
- DeepSeek Harnessチームが研究プロトタイプ「dsh-superagent-prototype」をMITライセンスで公開
- 常駐するRouterと、コンテキストを分離したWorkerの二層構造で並列処理を実現
- 負荷テストではP50が12.4分、P95が15.7分。単一セッション方式のP95は29.5分
- 料金は100万トークンあたり約1.32ドル(約205円)から3.96ドル(約614円)で、GPT-5.5やOpus 5.5より一桁低い水準
マルチタスクのボトルネックは人間の注意力
現在主流のAIエージェントは、一つのセッションを単位として動作し、会話同士は分断されています。人間が複数の作業を並行して進めるには、何度もウィンドウを切り替え、文脈を記憶しておく必要があります。
チームの観察によると、人間が同時に追えるアクティブなセッションは通常3〜5個です。単一タスクの上限はモデルの性能で決まりますが、マルチタスクのボトルネックは人間の注意力にあるという悪循環が生じます。Super-agentが突破しようとしているのは、この壁です。
RouterとWorkerの二層構造
中核となるのは二層の役割分担です。常駐するフロント側のRouterがインタラクションを管理し、タスクを割り当てます。軽量モデルでも十分に対応できます。
各タスクにはコンテキストを分離したWorkerを一つ割り当て、最も高性能なモデルで並列実行します。完了後はRouterに結果を返します。さらにイベント駆動、ストレージとコンピュートの分離、Watchdogによる監視を組み合わせ、詰まったタスクを自動検出・修復します。
負荷テストでは約300件のメッセージに20件のリクエストを混在させ、P50が12.4分、P95が15.7分でした。単一セッション方式のP95は29.5分に達しています。
料金と今後の展開
料金はV4-Proで100万トークン(AIが文章を処理する単位)あたり約1.32ドル(約205円)から3.96ドル(約614円)で、GPT-5.5やOpus 5.5より一桁低い水準です。
並行処理の上限が人間の注意力からシステムのスループットへ変わって初めて、AIエージェントはチャットウィンドウの外に出られるとチームは説明しています。プロトタイプはMITライセンスで公開されており、今後の詳細は明らかにされていません。