ヨーロッパ連合(EU)が2027年に施行する新たなバッテリー規制をめぐり、スマートフォンなどの携帯端末で利用者が容易にバッテリーを交換できる設計への変更が義務付けられるとの見方が広がっていますが、一定の基準を満たす主要な端末については、従来のデザインが維持される見通しであることがわかりました。
EUが2023年に発表した新たなバッテリー規制は、廃棄物を削減し、リサイクルを促進する目的で、2027年2月17日に施行される予定です。この規制の施行が近づくにつれ、SNSや一部のメディアでは、「メーカーは利用者が工具なしでバッテリーを交換できる設計に変更しなければならない」という見方が広がっています。
しかし、規制文書の規定によりますと、こうした見方は正確ではないということです。
規制では、特別な工具や熱、溶剤を使用せずに取り外せるものを「利用者が取り外し可能なバッテリー」と定義しています。現在のスマートフォンの多くは、背面のパネルを外すために熱を加えて接着剤を柔らかくする必要があるため、この定義には当てはまりません。
一方で、規制には例外規定が設けられています。具体的には、1000回の充電を繰り返した後でも80%以上のバッテリー容量を維持し、かつ「IP67」以上の防水・防塵性能を備えている端末については、専門業者によるバッテリー交換が認められるとしています。
現在市場に出ている「Google Pixel」や「Samsung Galaxy」などの主要なスマートフォンは、すでにこの基準を満たしているということです。このため、メーカー各社が2027年に向けてスマートフォンの設計を根本的に見直す必要性は低いとみられています。
今回のEUの規制は、主要なスマートフォンの設計を大きく変えるものではないものの、市場全体として防水性能やバッテリー寿命の向上を促し、修理の必要性を減らす効果が期待されるということです。基準を満たさない端末については、熱や溶剤を使わずに容易にバッテリーを取り外せる構造にすることが求められる方針です。