AIを活用したコンプライアンスのスタートアップ企業、Delveは、32億円(約4960万ドル)のシリーズA資金調達を実施し、企業価値が300億円(約1億9300万ドル)に達したと発表しました。このラウンドはインサイト・パートナーズが主導し、フォーチュン500企業のCISO(最高情報セキュリティ責任者)も参加したということです。
Delveは、AIエージェントを用いて規制遵守を自動化する技術を提供しており、顧客基盤は今年1月の100社から500社以上に拡大しました。多くの顧客は急成長中のAIスタートアップであり、その中には最近、ユニコーン企業となったLovable、Bland、Wispr Flowなどが含まれています。
Delveの創業者であるカラン・カウシック氏とセリン・コカラル氏は、MITのクラスメートとして出会い、AIとヘルステックに深い関心を持っていました。彼らは、医師が患者の書類作成を支援するAIを開発していましたが、HIPAAコンプライアンスのコストと時間の問題に直面し、他社がより迅速かつ低コストでコンプライアンスを達成するためのツール開発に転換しました。
その結果、彼らはYコンビネーターに参加し、ジェネラル・カタリストやファンダーズクラブ、ソーマ・キャピタルなどからシードラウンドの資金を調達しました。
DelveのAIエージェントは、顧客のツールと統合した後、内部チームメンバーのようにバックグラウンドで動作します。証拠収集、レポート作成、監査ログの更新、構成変更の追跡などをリアルタイムで自動化し、コンプライアンスのワークフローを効率化しています。
インサイト・パートナーズのプラヴィーン・アッキラジュ氏は、「コンプライアンスは企業運営のあらゆる部分に関わるため、この機能を近代化することが組織全体の近代化につながる」と述べています。
競合他社もAIを用いたビジネスワークフローの自動化に取り組んでいますが、Delveは特定のドメインに特化した知識をプラットフォームに組み込むことで差別化を図っているとしています。
