フランスのAI企業Mistral AIは10月29日(現地時間)、旗艦モデル「Mistral Large 4」(コード名 le Chonk)の重みをオープンソースとして公開したと発表しました。開発者や企業がモデルを入手し、改変やファインチューニング、通常の商用利用までできるようになります。
ポイント
- Mistral Large 4の重みを修正MITライセンスで無償公開
- 総パラメータ数は1兆、活性パラメータは490億(埋め込み層と出力層を含めると520億)
- 欧州の自社データセンターでNVIDIA Grace Blackwell GPU 3800基を使ってゼロから学習
- コーディングエージェントの指標で48%を記録し、タスクごとのトークン消費は平均47%少ない
- オンライン価格は入力100万トークンあたり0.70ドル(約109円)
ライセンスの範囲
公開は修正MITライセンスに基づきます。個人利用、学術利用、改変、ファインチューニング、通常の商用化はいずれも無償です。
ただし、計算資源を販売するクラウド事業者がMaaS(モデルをサービスとして提供する形態)として再販する場合は、別途Mistralとライセンスを協議する必要があります。重みは無料としつつ再販には制限を設けるこの方式が、Mistralの特徴となっています。
モデルの規模と学習環境
Mistral Large 4はネイティブのマルチモーダルモデルです。総パラメータ数は1兆、活性パラメータは490億で、埋め込み層と出力層を含めると520億になります。
学習にはMistralが欧州に構える自社データセンターを使用しました。NVIDIAのGrace Blackwell GPU 3800基を稼働させ、ゼロから学習させたということです。
3週間前に公開された初版と比べ、今回のバージョンは政府や企業での実測を経て性能が最適化・向上しています。
コーディングエージェントでの性能
Mistralが開発者向けに訴求するのはコーディングエージェントでの性能です。AIエージェントは、指示に基づいてコードを書くなどの作業を自律的に進める仕組みを指します。
Artificial Analysis Coding Agent Indexでは、Mistral Large 4は48%のスコアを記録しました。先行するオープンソースモデル「GLM-5.3」とほぼ同等ですが、タスクごとに消費するトークン(AIが文章を処理する単位)は平均47%少ないということです。同じ作業をより低いコストでこなせる計算になります。
料金
オンラインでの利用価格は、入力が100万トークンあたり0.70ドル(約109円)、キャッシュ入力が0.07ドル(約11円)、出力が2.10ドル(約326円)です。Mistralは同等の能力をより低い呼び出しコストで提供する立場を狙っているとみられます。
