欧州のAI企業Mistralは10月30日、コードネーム「Le Chonk」の新たなフラッグシップモデル「Mistral Large4」をオープンソースとして公開したと発表しました。最大1兆パラメータを持つ大規模言語モデル(LLM)で、欧州のインフラ上でゼロから学習されたということです。オープンウェイト(重みを公開する形式)のモデルとしては最大級の規模となります。
ポイント
- Mistralが10月30日、最大1兆パラメータの「Mistral Large4」をオープンソース化
- 欧州のインフラ上でゼロから学習されたオープンウェイトモデル
- コード評価「FrontierCode2.0」で19.7%、「Coding Agent Index」で48%を記録
- 同等性能で消費トークン(AIが文章を処理する単位)は競合より平均47%少ない
- 脱獄(安全制限の回避)や有害リクエストへの平均拒否率は96.6%
性能とトークン効率
Mistral Large4は、コード品質を評価するCognitionのベンチマーク「FrontierCode2.0」で19.7%を記録しました。オープンウェイトモデルの中では上位に入る成績です。Artificial Analysisの「Coding Agent Index」では48%で、業界をリードするGLM-5.3とほぼ同等となっています。
特徴はトークン効率の高さです。同等の性能を保ちながら、プログラミング作業で消費するトークン数は競合製品より平均47%少ないとしています。端末操作を評価する「Terminal-Bench4.0」では、プレビュー版から13ポイント向上して41%に達しました。同時に出力トークンも30%削減されています。
3種類の推論モード
Mistralは同モデルに3週間の強化学習を追加で実施し、3種類の推論モードを用意しました。単純なタスク向け、中程度の複雑さ向け、高い精度が求められる難易度の高いタスク向けの3つです。
開発チームによると、強化学習を延長した後も性能は伸び続けており、飽和の兆候は見られないということです。
安全性の評価
安全性の面では、脆弱性の発見や修正を評価する「Artificial Analysis Cyber Index」で51%を記録しました。脱獄や有害なリクエストへの耐性を測る「JailbreakBench」「StrongREJECT」「AgentHarm」などのテストでは、平均拒否率が96.6%に達しています。プレビュー版の95%から向上しました。
Mistralは、オンライン上の標的へのブラックボックス攻撃は拒否する一方、合法的な防御やペネトレーションテストでの利用にも配慮しています。Orange Cyberdefenseなどサイバーセキュリティ企業のパートナーには、特定のバリアント版のプレビュー権限を提供しています。利用は厳格な契約上の制約の下で、自社または認可された環境に限られるということです。