OpenAIは、次世代のChatGPTを支える新しいAIモデル「GPT-5」を発表しました。GPT-5は、OpenAIの初の「統合型」AIモデルであり、oシリーズの推論能力とGPTシリーズの迅速な応答を組み合わせたものです。この次世代モデルは、ChatGPTとその開発者であるOpenAIにとって新たな時代を示すものであり、AIシステムをチャットボットではなく、よりエージェントに近いものにするというOpenAIの広範な野望を示しています。
GPT-5は、ユーザーのためにソフトウェアアプリケーションの生成やカレンダーのナビゲート、研究概要の作成など、多様なタスクを実行できるように設計されています。また、ユーザーが適切な設定を選ぶ必要がないように、リアルタイムルーターが最適な回答を提供する方法を決定するという新機能も備えています。
OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏は、GPT-5が「世界で最も優れたモデル」であり、AIが経済的に価値のある作業を人間以上に行うことを目指す会社の道のりにおいて「重要なステップ」であると述べています。
GPT-5は木曜日からChatGPTの無料ユーザーにデフォルトモデルとして提供されるということです。この決定について、ChatGPTの副社長であるニック・ターリー氏は、より多くの人々に高度なAIを提供するというOpenAIの長年の使命の一環であると説明しています。
OpenAIは、GPT-5がいくつかの分野で最先端であると主張しており、特にコーディングの分野で優れているとしています。GPT-5は、GitHubから抽出された実際のコーディングタスクをテストするSWE-bench Verifiedで74.9%を記録し、他の先端モデルをわずかに上回っています。
また、GPT-5は健康関連の質問に対しても優れた回答を提供するということです。健康に関するトピックでのAIモデルの反応の正確性を測定するテストでは、GPT-5はわずか1.6%の幻覚率を示し、以前のモデルよりも大幅に改善されています。
OpenAIは、GPT-5が創造的なデザインやライティングなどの主観的な分野でも他のAIモデルより優れていると述べています。ターリー氏は、GPT-5がより自然な応答を示し、他のモデルよりも「良いセンス」を持っているとしています。
ChatGPTのユーザーエクスペリエンスもGPT-5の導入に伴い向上します。新たに4つの性格設定が追加され、ユーザーが特定の方法で応答するようにモデルに要求する必要がなくなります。
開発者向けには、GPT-5がOpenAIのAPIに3つのサイズで提供され、タスクに応じて「推論」に費やす時間を調整できるようになります。基本モデルの使用料金は、入力トークン100万個あたり約1.25ドル(約190円)、出力トークン100万個あたり約10ドル(約1550円)です。
GPT-5の発表は、OpenAIが開発者や企業向けに無料でダウンロード可能なオープンウェイト推論モデル「gpt-oss」をリリースした直後に行われました。このモデルは、以前のトップモデルに匹敵する能力を持ち、一部の分野で最先端の性能を示しています。
しかし、GPT-5は他の先端AIモデルとほぼ同等の性能を示す分野もあります。ベンチマークはAIモデルの能力を評価する一部に過ぎず、実際の使用においてどのように利用されるかは今後の課題です。