PinterestのCEOであるビル・レディ氏は、第2四半期の決算発表において、Pinterestを「AIを活用したショッピングアシスタント」と見なすことができると述べました。しかし、AIエージェントがユーザーに代わって買い物をする「エージェンティックウェブ」の実現はまだ先のことだとしています。
この発言は、エージェンティックウェブがPinterestのようなビジネスに与える影響についての質問に答える形で行われました。Pinterestは、ユーザーが購入に至る前のアイデアを探す段階に位置付けられています。
投資家の中には、AIがユーザーの興味を理解し、個別の推薦を通じてユーザーを自動的に買い物に導くのではないかという懸念もあるということです。
レディ氏は、「AIエージェントがユーザーの代わりにすべての買い物を行うという考えは、非常に長い時間を要するだろう」と述べ、ユーザーがどのように考えるか、またユーザーがすべてを任せる準備ができているかどうかが重要だとしています。
それでも、PinterestがAIを活用したショッピングアシスタントとして考えられるべきだと強調しました。ユーザーは「Pinterestは自分のことを理解している」と感じることが多く、アプリを開くと自分の好みやスタイルに合った提案がされるからだということです。
企業は、この時期を「カンブリアンモーメント」と呼び、AIを活用した新しい体験を模索しているとしています。既にAIを活用した推奨システムやパーソナライゼーション、独自のAIモデル(テキストと画像を組み合わせたマルチモーダルAIを含む)、ビジュアル検索、会話型検索、AIを活用した広告の効率化などを導入しているということです。
しかし、Pinterest上にAI生成の低品質なコンテンツが増えているというユーザーの懸念には触れられませんでした。今年初め、PinterestはAI生成画像にラベルを付けるツールや、ユーザーがAI生成のピンをフィルタリングするための新しいツールを導入しました。また、AIによる不適切なモデレーションシステムに起因する大量のユーザーバンについても言及されませんでした。
レディ氏はまた、PinterestがAI人材の獲得競争でどのように競争するかについても語り、「AIを善のために、責任を持って使用することに関心がある人々がPinterestで働きたいと思っている」と述べました。
Pinterestの株価は決算発表後に下落しました。売上高は99億8000万ドル(約1兆5487億円)と予想を上回りましたが、1株当たり利益は33セント(約51円)で、アナリストの予想の35セント(約54円)を下回りました。また、月間ユーザーの半数以上がZ世代であり、男性ユーザーは前年比で95%増加したとしています。