中国の家電大手TCLは、人の動きを感知して自動的に起動する新機能を搭載したスマートテレビ「QM9Kシリーズ」を展開していると発表しました。高画質技術と最新のAI機能を備える一方で、自動起動機能の実用性については今後の課題も指摘されています。
TCLが展開する「QM9Kシリーズ」は、65インチから98インチまでのサイズを揃えた同社の最上位モデルです。ディスプレイには「QD-MiniLED」技術が採用されており、最大6,500ニトの明るさと鮮やかな色彩を実現しているということです。また、視野角が広く、斜めから見ても画質が低下しにくい設計となっています。
本体の厚さは約5センチメートル未満で、壁掛け用のマウント位置も標準的な規格に対応しています。接続端子として4つのHDMIポートなどを備えていますが、画面共有などに便利なUSB-Cポートは搭載されていません。
ソフトウェアには「Google TV」が採用されており、スムーズな操作が可能だとしています。また、このモデルはGoogleの生成AI「Gemini」を搭載した初のGoogle TV製品であり、今後他のデバイスにも順次展開される方針です。
最大の特徴は、本体前面に搭載されたレーダー式の人感センサー(プレゼンスセンシング機能)です。この機能により、人が部屋に入ると自動的にスクリーンセーバーが起動し、さらに近づくと時刻や天気、ニュースなどの情報が表示される仕組みとなっています。反応する距離を細かく設定できるため、利便性が高いとされています。
一方で、表示される情報の種類をカスタマイズできない点や、テレビの本格的な視聴を開始するには依然としてリモコンの操作が必要である点などから、実用性には限界があるとの指摘も出ています。専門家は「今後の機能改善が期待されるものの、現時点では購入の決定打にはなりにくい」と分析しています。
「QM9Kシリーズ」の販売価格は1,999ドル(約31万円)から設定されており、一部の小売店では65インチモデルが1,599ドル(約24万8000円)で販売されているということです。TCLは今後、このセンサー技術を他のモデルに展開するかどうかについては明らかにしていません。
