Google DeepMindとGoogle Researchは、新たな天気予報モデル「WeatherNext 2」を発表しました。これは「最も高度で効率的な予報モデル」とされています。このモデルは、Pixel Weatherを含むGoogleの消費者向けアプリで予報を提供することに貢献しています。
WeatherNext 2は、高速かつ高解像度で予報を生成できるとされ、具体的には8倍の速度で1時間単位の予報が可能です。このモデルは、風速や風向、降水量、気圧などの気象変数を予測することができます。
このモデルの主な進歩は、1つの出発点から数百の気象結果を予測できる点です。これには、低確率だが壊滅的な天気イベントも含まれます。従来の物理ベースのモデルではスーパーコンピュータを使用して数時間かかっていた予測が、TPUを用いたこのAIアプローチにより1分以内で可能になったということです。
WeatherNext 2は1日4回、6時間ごとの予報を生成します。モデルの入力は「最新の全球気象状態」であり、機能生成ネットワーク(FGN)を使用してわずかに異なる予報を生成します。その生成された予報は再びモデルにフィードバックされます。
このアプローチは、気象学者が「マージナル」と「ジョイント」と呼ぶ予測に特に有用です。マージナルは、特定の場所の正確な気温や特定の高度の風速、湿度などの個別の気象要素です。このアプローチの新しさは、モデルがこれらのマージナルにのみ基づいて訓練されている点です。それにより、モデルは複雑で相互に関連するシステムである「ジョイント」を巧みに予測することを学びます。これには、高温により影響を受ける地域の特定や風力発電所の予想出力など、最も有用な予測が含まれます。
WeatherNext 2は、Googleの以前のモデルを「99.9%の変数(例:気温、風、湿度)とリードタイム(0-15日)で上回る」としています。
同社は、WeatherNext技術とモデルを「Googleのすべての天気機能を支えるコア予報システムに組み込んだ」としています。そのため、検索やGemini、Pixel Weather、そして近くGoogleマップでもより正確な天気予報を見ることができるということです。
一方で、企業や科学者、開発者はGoogle Cloud Vertex AI、Big Query、Earth Engineを通じてWeatherNext 2にアクセスできます。Googleは今後、新しいデータソースを統合し、アクセスをさらに拡大する方針です。
