OpenAIは火曜日にブログ投稿で、製品テストのスタートアップ企業Statsigを買収し、その創設者でCEOのヴィジャイ・ラジ氏をCTOアプリケーション部門の責任者として迎えることを発表しました。
OpenAIはStatsigを11億ドル(約1700億円)で株式取引により買収する方針です。これはChatGPTの開発会社であるOpenAIにとって最大級の買収の一つであり、同社の現在の評価額3000億ドル(約46兆5000億円)の下で行われる予定です。OpenAIの広報担当者ケイラ・ウッド氏がTechCrunchに伝えました。
この買収は、OpenAIがアプリケーション事業を拡大する最新の取り組みです。この部門は最近同社に加わったInstacartの元CEO、フィジ・シモ氏が指揮を執っています。ラジ氏はシモ氏に報告し、ChatGPTやAIコーディングツールCodex、そしてOpenAIが今後開発予定のアプリケーションの製品エンジニアリングを担当することになります。OpenAIは、Statsigの実験プラットフォームを社内に取り込むことで、アプリケーション組織全体の製品開発を加速させるということです。
ラジ氏の参加とともに、OpenAIは経営陣の体制を変更しています。
同社の最高製品責任者であるケビン・ワイル氏は、LinkedInで新たに設立される「OpenAI for Science」というグループのVPに就任することを発表しました。ワイル氏は新組織の目標について「科学的発見を加速させるAI駆動のプラットフォーム、次なる偉大な科学機器を構築すること」と述べています。彼はOpenAIの研究者であり、元MicrosoftのAI部門VP兼Distinguished Scientistであるセバスチャン・ブベック氏と緊密に協力するとしています。
「OpenAIの製品とデザインのリーダーたちは素晴らしく、フィジ・シモ氏がアプリケーション部門のCEOとして加わったことで、私はこの役割を担うことができる」とワイル氏は述べました。「OpenAIの製品は私が参加して以来、私の人生そのものであり、優れた手に委ねられています。」
一方、OpenAIの現エンジニアリング部門責任者であるスリニヴァス・ナラヤナン氏は、LinkedInで新たにB2BアプリケーションのCTOに就任することを発表しました。この役割において、ナラヤナン氏はOpenAIのCOOであるブラッド・ライトキャップ氏と直接協力し、企業顧客との関係を管理するということです。
OpenAIはStatsigの買収が規制当局の審査を待っているとしています。完了次第、Statsigの全従業員はOpenAIの従業員となる予定ですが、製品テストのスタートアップ企業はシアトルのオフィスから独立して運営を続け、顧客基盤にサービスを提供する方針です。