アメリカのコロラド州ゴールデンに拠点を置くスタートアップ、Terra CO2は、低炭素型のセメント代替品を市場に投入するために、124億円(約1億2450万ドル)のシリーズB資金調達を完了したと発表しました。
セメントは、骨材を結合してコンクリートを形成する材料であり、気候に大きな影響を与えています。特に、最も一般的なポートランドセメントの製造過程で発生する化学反応や、それを動力とする化石燃料から排出される二酸化炭素は、全世界の炭素汚染の約8%を占めているということです。
このため、Terra CO2を含む複数のスタートアップが、汚染を抑えながら同様の強度を持つセメントの開発に取り組んでいます。Furno、Sublime Systems、Partanna、PHNX Materialsなどもそれぞれ異なるアプローチで問題解決を試みています。
SCM(補助セメント材料)は、ポートランドセメントを代替する広範な材料群で、コンクリートの特性を損なわないとされています。Terra CO2は、シリケートを含む岩石を加熱してガラス状に溶かし、ポートランドセメントと同様の反応を示すガラス状の粉末を製造しています。
同社は、新たに調達した資金を用いて、テキサス州ダラス近郊に年間24万トンのSCMを生産できる大規模な施設を建設する方針です。
今回の資金調達ラウンドは、ビル・ゲイツ氏のBreakthrough Energy Ventures、Eagle Materials、Temasekが支援するGenZero、アル・ゴア氏のJust Climateが共同で主導しました。また、Barclays Climate Ventures、Cemex、Prologis、Siemens Financial Servicesも参加しました。
現在、Terra CO2は、コンクリートに使用されるポートランドセメントの最大40%を同社のSCMで代替できるとしています。また、従来のセメントを完全に置き換える次世代製品の開発にも取り組んでいるということです。同社のSCMは、ポートランドセメントと比較して二酸化炭素排出量を70%削減できるとしています。