スマートフォン「iPhone」上で、任天堂の過去の人気ゲーム「マリオカート64」を、エミュレーターを使用せずにネイティブ環境で動作させる技術が開発され、公開されたことがわかりました。Appleのグラフィックス技術「Metal」を活用することで、高画質や滑らかな動きを実現できるとしています。
これまでは「Delta」などのエミュレーターアプリを使用してiPhone上で同ゲームをプレイするのが一般的でした。しかし、今回開発された「SpaghettiPad」と呼ばれるアプリを使用することで、iPhoneのハードウェア性能を直接引き出すネイティブレンダリングが可能になるということです。
このアプリは、当時の開発環境を現代のハードウェア上で再現する技術「Libultraship」を活用しています。PC向けに移植されたソースコードを、開発者のクリス・ソトライディス氏がiPhone向けに再パッケージしたということです。
エミュレーターを使用する場合と比較して、ネイティブ動作には複数の技術的優位性があるとしています。具体的には、ワイド画面への対応や、最大120fps(1秒間のコマ数)の高フレームレート、より高解像度のテクスチャの適用が可能になるということです。また、ゲーム内の特定の描写において発生していた処理落ちなどの不具合も、ネイティブ環境では大幅に軽減されるとしています。
このアプリを導入するためには、Appleの公式アプリストアを経由しない「サイドロード」と呼ばれる手法が用いられます。「iLoader」や「SideStore」、「LocalDevVPN」といった複数のツールを組み合わせることで、パソコンを常に接続することなく、アプリのインストールや更新を管理できる仕組みとなっています。
なお、ゲームを実際にプレイするためには、著作権保護の観点から、利用者が自ら所有する正規のカートリッジから抽出したデータを用意することが前提となっているということです。
さらに、iPhoneでの操作性を高めるため、Bluetooth対応の外部コントローラーの利用も推奨されています。手頃な価格のコントローラーを組み合わせることで、より快適なプレイ環境が構築できるとしています。
エミュレーターを利用する手法に比べて導入には一定の手順が必要となるものの、より高品質なゲーム体験を求めるユーザーの間で、この新たな技術的アプローチが関心を集めているということです。
