アップルは、新しいイメージセンサー技術の特許を公開し、最大20ストップのダイナミックレンジを実現する可能性があることを発表しました。これは、現在のプロフェッショナルなシネマカメラに匹敵し、平均的な人間の目のダイナミックレンジに近づくものです。
新しく公開された特許「高ダイナミックレンジと低ノイズを持つ積層ピクセルを備えたイメージセンサー」によれば、アップルは次世代のセンサー設計において、20ストップのダイナミックレンジを約束しています。これは、同時に詳細を失わずに捉えられる光の最大値と最小値の比率を示します。
この特許は、積層型センサー設計を詳細に説明しており、1,048,576:1のコントラスト比を実現できるとしています。これにより、同じ画像内で光や影を失うことなく表現可能になります。
特許によれば、アップルのアーキテクチャは2層構造を採用しており、各ピクセルに独立したシャッターを追加し、イメージをダイから出る前にノイズ低減処理を行うということです。
もしこのセンサーが製品化されれば、アップルはスマートフォンの競争相手だけでなく、ソニーやキヤノン、REDなどのプロカメラメーカーをも凌駕する可能性があります。アップルのハードウェアとソフトウェアの統合による利点を活かし、iPhone以外にも本格的なカメラを開発する可能性もあるということです。
しかし、特許はあくまで特許であり、必ずしも製品化されるとは限りません。技術的な実現可能性に対する疑問も残っており、カメラ愛好家からの批判的な視点もあるということです。それでも、アップルが自社のチップ開発能力を活かし、新たな分野への展開を模索していることは興味深いとされています。