アメリカのIT大手アップルが、カメラを搭載したワイヤレスイヤホン「AirPods」の新たなモデルを開発している可能性があることが分かりました。プライバシーへの懸念が指摘される中、カメラは画像や動画の撮影用ではなく、人工知能(AI)の視覚機能として活用される見通しだということです。
ウェアラブル端末にカメラを搭載する動きをめぐっては、他社のスマートグラスなどで無断撮影への懸念が広がっています。プライバシー保護を重視するアップルにとって、カメラ搭載のイヤホンは大きなリスクを伴うとみられていました。しかし、最新の基本ソフト(OS)のテスト版から発見された映像やプログラムの記述により、その詳細が明らかになりつつあります。
発見された映像には、AirPodsを装着した男性が本を手に持ち、音声アシスタントの「Siri」と会話する様子が収められています。また、「髪の毛がカメラを覆っている」と警告するエラーメッセージの記述も見つかったということです。
アメリカのメディアの報道によりますと、このカメラは画像や動画を記録するためのものではないということです。左右のイヤホンに搭載された低解像度のカメラが「Siri」の目として機能し、周囲の視覚情報を取得する仕組みだとしています。
これにより、利用者は目の前にある本や料理の食材についてSiriに質問したり、見知らぬ街で道案内を受けたりすることが可能になります。アップルとしては、利用者がスマートフォンを見る時間を減らし、AIを通じてより自然に現実世界と関わる新たなライフスタイルを提案する狙いがあるとみられます。今年9月に予定されているソフトウェアの更新に合わせて、機能が拡充される方針です。
一方で、課題も指摘されています。視覚データをクラウドに送信する際、イヤホン上のLEDランプが点灯する仕組みが導入される見通しです。これは透明性とプライバシー保護の観点から必要な措置ですが、ランプが点灯することで、周囲の人々に「録画されているのではないか」という警戒感を抱かせるおそれがあります。アップルが消費者の不安をどのように払拭していくのか、今後の対応が注目されます。
