アメリカのIT大手アップルが、中国のインターネット規制当局の要請を受け、中国向けのアプリストアから匿名通信アプリ「Bitchat(ビットチャット)」を削除したと発表しました。アプリの開発を手がけた元ツイッター(現X)共同創業者のジャック・ドーシー氏が明らかにしました。
「Bitchat」は、現在決済企業「ブロック」の最高経営責任者を務めるドーシー氏らが開発した新しいメッセージアプリです。インターネットのサーバーを経由せず、ブルートゥース(Bluetooth)を利用して端末同士を直接つなぐ通信方式を採用しています。サーバーやアカウントが存在せず、利用者の情報を一切収集しないため、高い匿名性が保たれるということです。
このアプリは、インターネットの遮断やSNSの利用制限が行われている国や地域で広く利用されています。これまでにウガンダやイラン、ネパールなどで、抗議活動や政府による通信制限が実施された際に、ダウンロード数が急増したとされています。
ドーシー氏がSNSの「X」に投稿した内容によりますと、中国のインターネット空間を管轄する「国家インターネット情報弁公室」からの要請を受け、アップルがアプリストアから同アプリを削除したということです。
アップル側は削除の理由について、世論に影響を与えたり社会を動員したりする能力を持つアプリに対し、提供前の安全評価を義務付ける中国の規定に違反していると当局から指摘されたためだとしています。中国政府が国内のインターネット空間における情報統制を一段と強めている姿勢がうかがえます。
なお、ドーシー氏は、中国のアプリストアでの提供再開に向けて今後どのような対応をとるかについては、明らかにしていません。
