アメリカのブルームバーグ通信は、IT大手アップルが開発中とされる折りたたみ式スマートフォン「iPhone Ultra」について、専用の「Apple Pencil」の対応を見送る方針を固めたと発表しました。同社は当初、短いサイズの専用ペンを開発する案を検討していましたが、最終的にこの計画を中止したということです。
折りたたみ式の端末は、画面を展開するとタブレット端末の「iPad mini」に近いサイズになります。そのため、専用ペンを利用できる機能を搭載することは実用的だと期待されていました。競合他社では、韓国のサムスン電子が2011年に大型スマートフォン「Galaxy Note」で専用ペンを採用し、長年にわたり一定の支持を集めてきた実績があります。
ブルームバーグ通信は、アップルが計画を見送った背景として3つの理由を挙げています。その一つは、創業者の故スティーブ・ジョブズ氏が初代iPhoneを発表した際、スタイラスペンの使用に否定的な見解を示していたことです。
しかし、技術的な観点からは、この方針が決定的な要因ではないとの見方が示されています。ジョブズ氏が否定したのは「ペンの使用が必須となる設計」であり、ペンそのものを完全に排除する意図ではなかったとみられるためです。また、アップルはこれまでにも、創業者の過去の方針を転換して新たな技術を導入してきた実績があります。
計画が見送られた最大の要因は、折りたたみ式ディスプレーの耐久性に関する課題だということです。折りたたみ式の画面は、従来の端末に比べて表面が薄く、柔らかい素材で作られています。専用ペンで画面を繰り返しこすることで、ディスプレーの品質や寿命を損なうリスクがあるとしています。
アップルは、製品の品質と耐久性を重視しており、折りたたみ式スマートフォンの市場投入に対して慎重な姿勢を維持する方針です。今後、画面の耐久性に関する技術的な課題を解決できるかどうかが、将来的な専用ペンの導入に向けた焦点になるとしています。
