アメリカのIT大手アップル(Apple)は、腕時計型端末「Apple Watch」の血中酸素濃度を測定する機能をめぐり、医療機器メーカーの「マシモ(Masimo)」と特許侵害を争っていた問題で、アメリカ国際貿易委員会(ITC)がマシモ側の訴えを退け、アップル側の主張を認める決定を下したと発表しました。
アップルとマシモは過去数年間にわたり、Apple Watchに搭載された血中酸素センサーの特許をめぐって激しい法廷闘争を繰り広げてきました。
これまでの決定や上訴を経て、アップルはアメリカ国内での販売禁止措置を回避するため、該当する機能を無効化する対応をとりました。その後、Apple Watchで収集したデータをスマートフォン「iPhone」側で処理するよう機能を再設計しました。
アメリカ国際貿易委員会(ITC)は、この再設計された機能について「マシモの特許を侵害していない」と判断し、アメリカ国内での販売再開を認めていました。
これに対しマシモ側は、再設計された機能も依然として輸入差し止め命令の対象に含まれると主張し、税関・国境警備局(CBP)の承認決定を不服として申し立てを行っていました。
今回、ITCの全体委員会は、特許侵害はないとした行政法判事の決定を見直さないことを決定しました。これにより、マシモ側が求めていたApple Watchの輸入禁止措置の再開は退けられ、一連の手続きは終了することになります。
決定文によりますと、「再設計された製品は特許を侵害しておらず、輸入差し止め命令の対象から除外されるべきではない」としています。
アップルは声明を発表し、「ユーザーに重要な健康管理機能を提供し続けられることを確実にするITCの決定に感謝します。マシモは6年以上にわたり執拗な法的措置を講じてきましたが、その主張のほとんどは退けられました。私たちは常に自社の技術革新を守り、ユーザーに世界最高の製品とサービスを提供することに注力していく方針です」としています。
また同社は、プライバシーの保護に強く注力しながら、再設計された血中酸素測定機能に加え、心電図や不規則な心拍の通知といった健康管理機能を、引き続きアメリカのユーザーに提供できることを歓迎するとしています。
一方で、マシモ側は今回の決定を不服として、今後控訴する可能性があるということです。
