アメリカのIT大手アップルは、自社のアプリ配信サービス「App Store」において、利用者の暗号資産(仮想通貨)を盗み出す偽アプリや、個人情報を不正に収集していたアプリを削除し、関連する開発者のアカウントを停止したと発表しました。
暗号資産関連の報道機関によりますと、4月7日から13日にかけて、「Ledger Live」と名乗る偽のアプリを通じて、少なくとも50人の利用者からビットコインなどの暗号資産が盗み出されたということです。
被害額が大きかった3件では、それぞれ約323万ドル(約5億円)、約208万ドル(約3億2000万円)、約195万ドル(約3億円)相当の暗号資産が流出したとされています。盗まれた資金は、暗号資産の取引履歴を追跡困難にするサービスを経由して移動されたとみられています。
また、IT関連メディアの報道によりますと、アップルは「Freecash」と呼ばれる別のアプリも削除したということです。
このアプリは、動画投稿アプリ「TikTok」上で「動画を見るだけでお金が稼げる」とうたい、利用者を誤解させる宣伝を行っていました。しかし実際には、人種、宗教、健康状態などの機密性の高い個人情報を収集し、ゲーム開発者などに提供するデータブローカーとして機能していたと指摘されています。
このアプリの開発元は以前にも同様のアプリを削除されていましたが、別の開発者アカウントを使用してApp Storeの審査をすり抜け、再び配信を行っていた疑いがあるということです。
アップルは声明を発表し、詐欺的または悪意のあるアプリに対しては「一切容認しない」とする方針を強調しました。同社の審査ガイドラインでは、利用者をだます行為や、隠された機能を組み込むことなどを厳しく禁じています。
アップルは、今回の2つのアプリについて、誤解を招く宣伝や詐欺的な行為があったとして削除に踏み切り、開発者アカウントを停止したということです。また、同社は昨年の1年間で、詐欺の疑いがあるアプリなど数十万件を審査の段階で却下または削除したとしており、今後もガイドラインに違反するアプリには即座に対応していく方針です。
