アドビは水曜日、検索エンジン最適化企業セムラッシュを約2900億円(19億ドル)で買収する方針を発表しました。これは、フォトショップのメーカーであるアドビがマーケティング製品群を強化するための動きです。
アドビは声明で、セムラッシュの株式を1株12ドル(約1860円)で買い取ると発表しました。これは、火曜日の取引終了時点でのセムラッシュの終値6.89ドル(約1070円)のほぼ2倍となります。火曜日の終了時点で、セムラッシュの時価総額は約1000億円(10億ドル)でした。
アドビがセムラッシュを買収することで、企業はAIツールに対してより可視性を高めるためにコンテンツやウェブページの最適化に投資することを選ぶと見込んでいます。人々がニュースの取得やレシピの検索、ショッピングや旅行の予約にAIチャットボットやAIエージェント、AIブラウザを利用することが増えているためです。この変化が生成AIツールからウェブサイトへのトラフィックを増加させ、セムラッシュのような既存の検索エンジン最適化企業にとって新たな大市場を生み出しています。
実際、アドビアナリティクスのデータによれば、生成AIチャットボットからの小売ウェブサイトへのトラフィックは、前年同月比で1200%増加しています。
セムラッシュは「生成エンジン最適化」に投資しており、最近ではChatGPT、Claude、Copilot、Grok、PerplexityなどのAIエンジン向けの最適化と伝統的なSEO技術の両方を使用してウェブサイトのパフォーマンスを追跡・改善するツールを発表しました。
アドビのデジタルエクスペリエンス事業部のアニル・チャクラヴァルティ社長は、「ブランドの可視性は生成AIによって再構築されており、この新しい機会を受け入れないブランドは関連性と収益を失うリスクがあります。セムラッシュと共に、GEOをマーケターの新たな成長チャネルとして解放し、SEOと共にエコシステム全体での可視性、顧客エンゲージメント、コンバージョンを促進します」と述べました。
