アメリカのIT大手アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾス氏が、イギリスのプロサッカークラブ「リバプール」の株式取得に向けて協議を進めていることが報じられました。
イギリスの有力紙「ガーディアン」の報道によりますと、ベゾス氏は、フェイスブックの共同創業者であるエドゥアルド・サベリン氏らとともに、リバプールの株式を少なくとも30%取得することを目指しているということです。この取引における評価額は13億5000万ポンド、およそ18億ドル(約2790億円)に上るとされています。実現すれば、ベゾス氏にとって初のスポーツチームへの投資となります。
経済誌「フォーブス」によりますと、リバプールはヨーロッパで最も知名度の高いスポーツチームの一つであり、その資産価値は約60億ドル(約9300億円)と推計されています。イギリス国内において、アメリカのプロアメリカンフットボールリーグ(NFL)の「ダラス・カウボーイズ」に匹敵するブランド力を持つと評価されています。
近年、アメリカの資産家や著名人がイギリスのサッカークラブに投資する事例が相次いでいます。これまでに、プロ野球団「ロサンゼルス・ドジャース」の共同オーナーであるトッド・ボーリー氏らが「チェルシー」を買収したほか、俳優のライアン・レイノルズ氏や元NFL選手のトム・ブレイディ氏などもイギリスのクラブの株式を取得しています。
イギリスのメディア「スカイスポーツ」が今年実施した調査によりますと、イングランドのトップリーグである「プレミアリーグ」に所属する20クラブのうち、13クラブにアメリカ人の株主がいることが明らかになっています。アメリカ国内でサッカーの人気が高まっていることに加え、NFLや大リーグ(MLB)の球団は買収額が高騰しており、新規参入が極めて困難になっていることが背景にあるとみられています。
ベゾス氏の現在の総資産は約2800億ドル(約43兆4000億円)に上るとされています。同氏は近年、IT企業の経営者という枠を超え、文化的な影響力を持つ人物としての地位を確立しつつあります。
また、アマゾンはこれまでにもヨーロッパのサッカーリーグの試合を動画配信サービスで中継するなど、スポーツ分野への関与を深める事業戦略をとっています。さらに、ベゾス氏が関わる新たなAI(人工知能)企業「プロメテウス」が、イギリス・ロンドンのAI開発拠点であるキングス・クロス地区にオフィスを開設する計画を進めているとも報じられており、同氏がイギリスにおける事業展開や投資をさらに拡大していく方針であることがうかがえます。
