アメリカのIT大手アマゾンは、メタが提供するAIアシスタント「Muse(ミューズ)」に対し、自社サイトでの商品購入を遮断する措置をとったと発表しました。未承認のAIエージェントによるアクセスは利用規約に違反するためとしています。
アメリカ時間の週末の夜以降、「Muse」を利用してアマゾンで買い物をしようとしたユーザーに対し、エラーメッセージが表示されるようになりました。アメリカのIT専門メディアによりますと、メッセージには「未承認のAIエージェントによる継続的なアクセスは、顧客が同意したアマゾンの利用規約に違反する」と記されているということです。これにより、ユーザーは「Muse」を経由してアマゾンで商品を購入することができなくなりました。
この措置の背景には、巨大IT企業同士の競争があるとみられています。アマゾンは独自のAI基盤モデルや、インターネット上で広く利用されている推論プラットフォームを展開しています。法的に「Muse」のアクセスを許可する義務がない限り、競合他社のAIを受け入れる理由はないという見方が出ています。
一方で、アマゾンがAIエージェントによる自動購入の導入に慎重になっている実質的な理由も指摘されています。AIが誤った注文をした場合、アマゾンは顧客や販売業者の双方からの苦情に対応しなければなりません。「Muse」はAIモデルの中でも、事実に基づかない情報を生成する「ハルシネーション」の確率が低いとされていますが、完全にゼロではないということです。
アマゾンとしては、AIによる自動購入にビジネスチャンスを見いだしているとしても、技術の精度がさらに向上するまで本格的な導入を見送る方針だとみられています。
