アメリカ連邦取引委員会(FTC)と全米22の州は、IT大手のアマゾンが自社のプラットフォーム上で広告主に対して密かに広告費を上乗せしていたとして、同社を提訴したと発表しました。
訴状によりますと、アマゾンは7年以上にわたり、オンライン広告のオークションにおいて、広告主が支払う価格を密かに引き上げていたとされています。この行為により、100万以上のブランドや販売業者が影響を受け、アマゾンは数百億ドル(数兆円規模)の追加収益を得ていた可能性があるということです。
今回の提訴には、FTCに加えてカリフォルニア州やニューヨーク州など22の州が参加しています。
訴訟の対象となっているのは、検索結果と並んで表示される「スポンサープロダクト広告」や「スポンサーブランド広告」などです。FTCによりますと、アマゾンは50万以上の中小企業に対し、広告のオークション方式について「セカンドプライス・オークション」を採用していると説明していました。これは、最も高い金額を提示した落札者が、2番目に高い入札額にわずか1セントを上乗せした金額のみを支払う仕組みです。広告主は実際の費用が抑えられると信じていたため、高い金額で入札する傾向があったということです。
しかし、FTCは、アマゾンが2019年以降、広告主に知らせることなく密かにシステムを変更していたと指摘しています。内部で「非公開の最低価格」と呼ばれる隠し手数料を追加したほか、「架空の入札参加者」と呼ばれるシステム上のダミーを設けることで、実際の競争で決まる価格よりも意図的につり上げていたとしています。その結果、アマゾンは全体の約80%のケースで、広告主に自身の最高入札額をそのまま支払わせていたということです。
FTCは、アマゾンが広告収益の拡大を目的としてこの変更を行ったと主張しています。また、事実を公表すれば広告主が入札額を下げ、収益が減少するおそれがあったため、意図的に隠蔽していたとしています。
アマゾンが昨年の広告事業で得た収益は、680億ドル(約10兆5400億円)以上に上るということです。
一方、アマゾンは公式ブログで見解を示し、FTCの提訴について「見当違いであり、広告主の仕組みを根本的に誤解している」として反論しています。
同社は、自社のオークションは多様な広告枠や形式にわたる膨大な入札を評価しているため、価格が変動するのは自然なことだと主張しています。また、価格設定のシステムについては、広告主に対して適切に情報提供を行っている方針を強調しています。
