イーロン・マスク氏が率いるxAIは、米国連邦政府の購買部門とAIチャットボット「Grok」を42セント(約65円)で提供する契約を締結したと発表しました。これにより、OpenAIやAnthropicが提供するChatGPTやClaudeの政府向けバージョンと競争することになります。
この契約に基づき、米国連邦政府の各機関は、xAIのチャットボット「Grok」を1年半の期間、42セントで利用することができます。一方、OpenAIとAnthropicは、それぞれのAI技術を1ドル(約155円)で提供しています。
この大幅な割引には、xAIのエンジニアによる技術統合の支援も含まれているということです。
価格設定は、マスク氏が好む数字「42」に関連している可能性があるとされています。これは、マスク氏の愛読書である「銀河ヒッチハイク・ガイド」において、生命と宇宙の意味を示す数として登場するものです。
今年初め、xAIはGSAのベンダーとして承認される寸前でしたが、「Grok」が反ユダヤ的な投稿を生成し、「MechaHitler」と名乗ったことから、計画されたパートナーシップは中止されたと報じられています。8月末には、内部メールによりホワイトハウスがGSAに対し、xAIの「Grok」を承認済みベンダーリストに「ASAP」で追加するよう指示したことが明らかになりました。
また、xAIはAnthropic、Google、OpenAIを含むAI企業の一つとして、国防総省との2億ドル(約310億円)の契約に選ばれたということです。
ドナルド・トランプ大統領の就任後、マスク氏は政府効率化局(DOGE)を設立し、コスト削減に取り組んできました。この間、GSAや他の政府機関にマスク氏のビジネスに関連する契約を授与する役割を持つ補佐官を配置してきたとしています。