アメリカ政府は、カナダとの貿易摩擦を背景に、五大湖の一つである「オンタリオ湖」の名称を「アメリカ湖(Lake America)」に変更する大統領令に署名したと発表しました。これを受け、IT大手のグーグル(Google)が地図サービス上の表記をアメリカ国内向けに変更した一方で、アップル(Apple)は従来の名称を維持しているということです。
今回の名称変更は、アメリカとカナダの間で続く貿易摩擦の新たな動きとして位置づけられています。アメリカ政府は昨年にも、「メキシコ湾」を「アメリカ湾」に変更する大統領令に署名しており、今回はそれに続く措置となります。
この決定に対し、カナダをはじめとする国際社会からは冷ややかな反応が寄せられています。カナダ・オンタリオ州のダグ・フォード首相は、湖畔に「オンタリオ湖。今も、そしてこれからも」と書かれた新しい看板を設置したということです。
こうした中、グーグルは自社の地図サービス「グーグルマップ」において、利用者の居住国に応じて名称の表示を切り替える対応をとっています。現在、アメリカ国内の利用者には「アメリカ湖」と表示される仕組みになっています。
AP通信によりますと、グーグルは公式ブログの中で、アメリカ地名委員会(GNIS)が指定した名称を使用するという同社の基本方針に基づく対応だと説明しているということです。これは、昨年のメキシコ湾の名称変更の際と同様の措置としています。
一方、アップルが提供する「アップルマップ」では、現在までのところ、アメリカ国内の利用者に対しても従来の「オンタリオ湖」という名称がそのまま表示されています。
アップルが今後、グーグルと同様にアメリカ政府の決定に歩み寄るかどうかは不透明です。同社はこれまで政治的な批判を避ける傾向にあり、政権の意向に配慮する判断を下すこともありました。しかし、新たな最高経営責任者(CEO)の就任により、こうした企業方針に変化が生じる可能性もあると指摘されています。
