アメリカのIT企業「オープンAI」のサム・アルトマンCEOは、競合する「アンスロピック」が開発した新たなサイバーセキュリティー向けのAIモデルについて、「恐怖をあおるマーケティング手法を用いている」と批判する見解を発表しました。
アンスロピックは今月、新たなAIモデル「Mythos(ミトス)」を開発し、一部の企業顧客に限定して提供を開始したと発表しました。同社は、このモデルが極めて高い性能を持つため、サイバー犯罪者に悪用される懸念があるとして、一般公開を見送る方針です。しかし、専門家などからは、こうした主張は誇張されているとの指摘も出ています。
アルトマンCEOは、出演したインターネット番組の中で、アンスロピックの姿勢に言及しました。同氏は「恐怖をあおるマーケティング」は、AIの技術を一部の限られたエリート層の手に留めておくための手段になっていると指摘しています。さらに、「世の中には、AIを少数のグループで独占したいと考える人々が長年存在しており、それを正当化するためにさまざまな理由が使われている」と述べたということです。
また、アルトマンCEOは「『我々は爆弾を作った。今からあなたの頭上に落とすところだ。ついては1億ドル(約155億円)で防空壕を販売しよう』と言うのは、明らかに驚くべきマーケティング手法だ」と述べ、同社の販売戦略を強く批判しました。
一方で、こうした「恐怖をあおるマーケティング」はアンスロピックに限ったものではないという見方もあります。AI業界全体が、自社の技術の威力を強調するために、過激な表現や恐怖心を利用してきたと指摘されています。AIが世界の終焉をもたらす可能性があるといった言説は、技術の発展に反対する人々だけでなく、アルトマンCEO自身を含め、AI技術を社会に提供する企業側からも発信されてきた背景があるということです。
