アメリカのIT企業「オープンAI」のサム・アルトマンCEOは、自身の自宅が襲撃された事件と、自身の信頼性に疑問を呈したアメリカの雑誌記事について、ブログを通じて見解を発表しました。
地元警察などによりますと、金曜日の早朝、サンフランシスコにあるアルトマン氏の自宅に火炎瓶が投げ込まれる事件が発生しました。この事件によるけが人はいないということです。その後、容疑者はオープンAIの本社で建物を放火すると脅迫した疑いで逮捕されました。
容疑者の身元は公表されていません。アルトマン氏によりますと、事件は自身に関する「扇動的な記事」が掲載された数日後に起きたということです。同氏は、AIへの不安が高まる中でこうした記事が出版されることは危険を招く可能性があると事前に指摘されていたものの、当初は気に留めていなかったとしています。そのうえで、「言葉や物語の力を過小評価していた」と心境を明らかにしました。
問題となった記事は、アメリカの雑誌「ニューヨーカー」に掲載された長編の調査報道です。記事では、アルトマン氏の事業に関わった100人以上の関係者へのインタビューをもとに、同氏の権力への強い執着や信頼性に対する疑問が指摘されていました。
これに対しアルトマン氏は、過去を振り返り「誇りに思うことも多いが、多くの間違いもあった」と述べています。特に「対立を避ける傾向」が自身や会社に大きな苦痛をもたらしたと説明しました。2023年に起きた自身のCEO解任と復帰をめぐる騒動にも触れ、「前の取締役会との対立に適切に対処できず、会社に大混乱を招いた」と反省の意を示しています。
また、AI業界における企業間の激しい競争について、権力を独占しようとする力学が働いていると指摘しました。今後の事業方針として、汎用人工知能(AGI)を一部の企業や個人が支配するのではなく、「技術を広く社会と共有していく方針である」と強調しています。
最後にアルトマン氏は、誠実な批判や議論を歓迎する姿勢を示すとともに、「技術の進歩は未来を素晴らしいものにする」という信念を改めて示しました。そのうえで、「議論を行う際には過激な言動を控え、物理的にも比喩的にも攻撃的な行動を減らすよう努めるべきだ」と呼びかけています。
