アメリカのIT企業「オープンAI(OpenAI)」が、同社初となるハードウェア端末として、画面を持たず自律的に動くスマートスピーカーの開発を進めていることが明らかになりました。対話型AI「チャットGPT(ChatGPT)」と連携し、家庭内で利用者の生活を支援する方針だということです。
アメリカの経済メディア「ブルームバーグ」の報道によりますと、この端末は現在開発中で、画面を搭載しない設計となっています。社内では「家庭に存在する人間のようなAIコンパニオン(伴侶)」として位置づけられているということです。オープンAIは以前から独自のハードウェア製品を投入する戦略を掲げており、一時はアップル(Apple)に対抗して独自のスマートフォンを開発するのではないかという観測も出ていました。
新たに明らかになった端末は、従来のスマートスピーカーとは一線を画すものとしています。関係者によりますと、端末自体が「個性」を持ち、利用者の生活習慣などを長期的に自ら学習する機能が備わっているということです。電子メールなど利用者のデジタルデータにアクセスし、より個人に寄り添ったサービスを提供する方針です。
さらに、「自ら動くことができる機械的な要素」が含まれているという独特な特徴も報告されています。ブルームバーグは、この端末が「コンパニオンのように感じられ、チャットGPTが物理的な形を持った存在になる」よう設計されていると伝えています。
また、この端末の開発には、「iPhone」や「Mac」などの製品開発に携わったアップルの元技術者が多数参加しているということです。一方で、オープンAIは現在、ハードウェアに関連する深刻な法的な課題にも直面しています。
先週、アップルは企業秘密を盗まれたとしてオープンAIを提訴しました。アップル側は、今回の訴訟で指摘した不正行為は「氷山の一角」にすぎず、今後の法的手続きを通じてさらなる問題が明らかになるとしています。これに対し、オープンAIは不正行為を否定しています。
ブルームバーグが引用した関係者の話によりますと、オープンAIは新製品について「現在アップルが市場に展開しているどの製品とも大きく異なる」と認識しており、アップルの企業秘密を侵害する可能性は低いとみているということです。
現在、IT業界全体で消費者向けのAIハードウェアに対する期待が高まっています。例えば、起業家のブレット・アドコック氏が設立したAI開発企業「ハーク(Hark)」は、今年5月にシリーズAラウンドで7億ドル(約1085億円)の資金調達を実施しました。同社の企業価値は60億ドル(約9300億円)と評価されています。ハークは独自のAIモデルと専用ハードウェアを組み合わせた「パーソナル・インテリジェンス」の構築を目指すとしています。
具体的な端末の形状はまだ公表されていませんが、製品が市場に出る前から、この分野に多額の投資資金が流入している実態が浮き彫りになっています。
