アメリカのIT企業「オープンAI」は、より自然な会話ができる新たな音声AIモデル「GPT-Live-1」などを開発したと発表しました。
発表によりますと、新しいモデルは、同時に音声を聞き取りながら話すことができる双方向の通信に対応しています。これにより、利用者が会話の途中で自然に割り込むことができるほか、リアルタイムでの翻訳機能なども利用できるということです。
オープンAIは、対話型AI「ChatGPT」で提供している現在の高度な音声モードを、標準で「GPT-Live-1 mini」に置き換える方針です。また、有料プランの利用者は、より大規模な「GPT-Live-1」を利用できるようになるとしています。従来の音声機能は、音声認識、言語生成、音声合成の3つのモデルを組み合わせていましたが、新モデルではこうした仕組みを刷新しています。
同社によりますと、新モデルは、利用者が話している途中でAIが発言を遮ってしまう問題や、複雑な質問に答えられないといったこれまでの課題を解決しています。会話を続けながら、最新のテキストモデルである「GPT-5.5」などに指示を送り、検索や推論、自律的な処理などを実行できるということです。また、長時間沈黙したまま会話の文脈を読み取り、必要な時にだけ応答することも可能だとしています。
さらに、最新のモデルと連携することで、一部の情報を視覚的な形式で提示することも可能になります。AIアシスタントの対話機能を強化する動きは他社でも進んでおり、4000万ドル(約62億円)の資金を調達した新興企業の「モノグラム」なども、視覚的な応答を取り入れています。アップルやアマゾンといった大手IT企業も、文脈の理解力を高めた対話型アシスタントの開発を進めています。
オープンAIは、長時間の会話を想定して新しい音声モードを設計したとしています。同社は、複雑な作業を行う上で、音声がコンピューターを操作する主要な手段になると考えており、将来的には音声がさまざまな業務のインターフェースになるという見方を示しています。一部では、AIを搭載したイヤホンを今年中に発売するとの報道もありますが、今回の発表ではハードウェアに関する言及はありませんでした。
現在、1億5000万人以上が音声機能などを使ってChatGPTを利用しているということです。一方でオープンAIは、AIを単なる「話し相手」にすることが目的ではないと強調しています。若者に対しては年齢に応じた適切な回答を行い、自傷行為などの話題が出た場合には相談窓口を案内するなど、安全対策を組み込んでいるとしています。
ただ、新しい音声モードにはまだ改善の余地が残されています。発表会で行われたヒンディー語のリアルタイム翻訳のデモンストレーションでは、アメリカ英語のなまりが強く、不自然な口調になる場面も見られました。同社は「多くの人が話す言語」に最適化していると説明していますが、具体的な言語の名称は明らかにしていません。
