カメオは昨年、重大な経営危機に直面し、その評価額が少なくとも90%下落しました。さらに、米国連邦取引委員会(FTC)からの60万ドル(約9億3000万円)の罰金を支払うことができない状況にありました。
その後、カメオは成長のための新しい方向性を模索しており、9月28日、新しい誕生日プランニングアプリ「Candl」を発表しました。このアプリは、友人の誕生日を忘れがちなユーザー向けに設計されています。
「Candl」はApp Storeで無料でダウンロード可能で、保存された連絡先から誕生日を同期し、誕生日カレンダーを作成します。これにより、友人や家族の誕生日を確認でき、近づくお祝いのリマインダーを受け取ることができます。占星術ファン向けには、星座に基づいて相性の良い人を確認する機能もあります。
さらに、「Candl」には「バースデーネットワーク」という機能があります。別の「Candl」ユーザーが同じ連絡先を持っていても誕生日を知らない場合、アプリがその情報を共有します。誕生日情報の共有を望まないユーザーは、candl.app/optoutで除外したい電話番号を提出することでオプトアウトが可能です。
「Candl」は将来的にAIを活用したギフトアイデアの提案機能も追加する予定です。
このアプリはシンプルですが、多くの人にとって便利なツールとなる可能性があります。しかし、一時は人気を誇ったカメオがこのようなシンプルなアプリで再起を図るのは、やや意外な選択と言えるかもしれません。
カメオはこれまでNFTを活用したコミュニティ提供やコンテンツクリエイターへの転換など、より野心的なプロジェクトで知られていました。しかし、これらの努力にもかかわらず、期待した成果は得られていないようです。
アプリ情報会社Appfiguresのデータによれば、カメオアプリのダウンロード数はパンデミック時のピーク以降、減少傾向にあります。2021年には110万件のインストールがありましたが、2022年には43万3000件に減少しました。今年の前半には27万件のダウンロードがあり、昨年の21万7000件に比べて24%の増加を示しています。
さらに、2025年上半期のアプリにおける世界的な消費者支出総額は約170万ドル(約2億6000万円)に達し、2024年同時期の約470万ドル(約7億3000万円)から64%の減少を示しています。
「Candl」が十分な支持を得られるかどうか、今後の展開が注目されます。
