アメリカ・カリフォルニア州のニューサム知事は、行政機関においてAI開発企業アンスロピックの生成AI「クロード」を通常の半額で利用できる契約を結んだと発表しました。多くの企業が高額なAIツールの導入コストに直面する中での決定となります。
この契約により、カリフォルニア州のすべての州政府機関および地方自治体は「クロード」を利用できるようになるほか、アンスロピックから研修やサポートを受けられるということです。知事室の発表によりますと、州の職員が文書の作成や情報の分析を行う際にAIを活用する方針です。
ニューサム知事は声明で、「AIは行政における人間の仕事を奪うものではなく、職員の業務を迅速化し、より効果的に問題を解決して、州民により良い結果をもたらすために役立てるべきだ」としています。
今回の契約は、ニューサム知事が今年3月に署名した知事令に基づくものです。この知事令は、厳格な安全基準を維持しながら、行政の効率化に向けてAIの活用を加速させることを目的としています。ニューサム知事は当時、「連邦政府などが不適切な利用の懸念を抱えたまま政策や契約を進めているのに対し、私たちは正しい方法で取り組むことに注力している」と述べていました。
一方で、カリフォルニア州がアンスロピックとの関係を深める中、アメリカ連邦政府は同社に対して厳しい姿勢を示しています。今年、アンスロピックとアメリカ国防総省は、AIの利用契約をめぐって対立しました。アンスロピック側は、国民の監視や人間の関与がない自律型兵器への技術転用を防ぐための明確な保護条項を求めていました。
しかし、ヘグセス国防長官はこれを拒否し、競合するオープンAIと契約を結んだということです。さらに国防総省は、アンスロピックを「サプライチェーン上のリスク」に指定し、同省の契約企業がアンスロピックと取引することを禁じる措置まで講じています。
このように州と連邦政府の対応は大きく分かれていますが、カリフォルニア州の最高情報責任者(CIO)で技術局長を務めるクリス・ギブン氏はメディアの取材に対し、今回のアンスロピックとの契約交渉において、連邦政府によるリスク指定の問題は「全く話題に上らなかった」と説明しています。
