アメリカのIT大手グーグルは、アンドロイド端末向けの「Googleウォレット」アプリにおいて、アメリカ各州が発行する運転免許証や身分証明書を追加できる機能の対応地域を順次拡大していると発表しました。
身分証明書をアプリに追加する手続きでは、実際のカードの表面と裏面を撮影します。さらに、本人確認のために利用者の短い動画を撮影する必要があります。撮影した動画から抽出された顔写真が、身分証明書の発行機関に送信され、審査が行われるということです。
審査が承認されると、身分証明書はアプリ内の支払い方法などと並んで表示されます。また、スマートフォンを紛失した場合には、オンライン上のGoogleアカウントから遠隔操作で身分証明書のデータを削除できるとしています。
現在、このデジタル身分証が主に利用できるのは、アメリカ国内の一部の空港にある運輸保安庁(TSA)の保安検査場です。専用の端末にスマートフォンをかざす方法や、アプリ内でQRコードを表示する方法で本人確認が行われます。ただし、公式の規則として、利用者は引き続き実際の身分証明書を常に携帯する必要があるということです。
レンタカーのサービスなど、一部のアプリでは年齢確認や本人確認にデジタル身分証を利用できるようになっています。
グーグルは今後の戦略として、利用者の個人情報を特定されることなく必要な情報のみを共有できる「ゼロ知識証明」と呼ばれる技術の導入を目指す方針です。この技術は、広く利用できるようオープンソース化される計画だとしています。
さらに、一部の州の車両管理局(DMV)での手続きのほか、アマゾンのアカウント復旧、薬局チェーン大手CVSのオンライン医療サービス、配車サービス「ウーバー」の本人確認などにもデジタル身分証を活用できるよう、開発を進めているということです。
また、グーグルは今年4月、アメリカのパスポートをデジタル身分証として登録し、国内線の搭乗手続きに利用できる機能についても発表しました。これは、2025年5月に迫る身分証明書の厳格な新基準「REAL ID」の導入期限を見据えた対応だとしています。
登録には、パスポートの顔写真ページの撮影や、ICチップの読み取り、本人確認用の動画撮影が必要です。この機能を利用する場合でも、実際のパスポートの携帯が求められるほか、国際線では利用できないとしています。
