アメリカのIT大手グーグルは、生成AI「Gemini(ジェミニ)」の機能を大幅に拡充した新型スマートフォン「Pixel 11」シリーズを発表しました。ハードウェアの変更は最小限にとどめる一方、AIが利用者に代わって作業を行う機能を強化したということです。
今回のシリーズでは、AIが自律的にタスクを処理する「エージェント型AI」の構想が強く打ち出されています。アメリカ国内の利用者向けには、Geminiがレストランの予約や配車の手配、買い物などを代行する機能が提供される方針です。AIによる自動通話の際も、利用者がいつでも介入して処理を停止したり、通話の文字起こしを確認したりできるとしています。
また、今後数週間のうちに、様々な外部アプリとGeminiが連携し、より多くの作業を自動化できるようになるということです。さらに、昨年のモデルから搭載されている機能も進化し、複数のアプリから文脈に沿った情報を収集して、食事の場所などを提案する機能が追加されました。
今年5月に発表された音声入力機能「Rambler」も新たに搭載されます。くわえて、動画や音声メッセージを翻訳する機能や、カメラ画面から直接検索できる機能も追加されるということです。
アクセシビリティの面では、Geminiを活用して手話をテキストに翻訳する機能が導入されました。カメラ機能にもAIが深く組み込まれており、動画の撮影中に最適な瞬間を自動で抽出し、写真として保存する「マジック・キャプチャー」機能が搭載されています。この機能では、画像の切り抜きやブレの補正も自動で行われるということです。
ズーム機能も強化され、上位モデルの「Pro」では最大120倍、通常モデルでは最大30倍のズームが可能になりました。暗い場所での撮影機能「ナイトサイト」も従来より大幅に高速化されたほか、8K解像度の動画撮影にも対応しています。また、動画撮影時にスマートフォンをプロンプター(原稿表示機)として使えるクリエイター向けの機能も追加されました。
搭載される最新の半導体「Tensor G6」は、電力効率が20%向上し、インターネットの閲覧速度も25%速くなったとしています。画面の大きさは従来と同じですが、上位モデルではより明るいディスプレイが採用されました。
背面のライト周辺には新たにLEDインジケーターが配置され、特定の連絡先からの着信や、Geminiが処理を行っている状態を光で知らせる仕組みが取り入れられています。
新型モデルは本日から予約の受け付けが始まり、すべてのモデルで基本容量が256GBからとなります。価格は「Pixel 11」が899ドル(約13万9000円)、「11 Pro」が1099ドル(約17万円)、「11 Pro XL」が1299ドル(約20万1000円)です。部品価格の高騰を背景に、最上位モデルは前世代から100ドル(約1万5500円)値上げされる方針です。