アメリカのIT大手グーグルは、車載システム「Android Auto」向けに対話型AI「Gemini(ジェミニ)」の提供を開始したと発表しました。しかし、実際の利用環境では音声認識や操作性に課題が多く、利用者の間で不満の声が上がっているということです。グーグルは従来の音声アシスタントからAIへの移行を推進し、技術の自立化を図る方針ですが、実用化に向けてさらなる改善が求められています。
グーグルは開発者会議において、車載システム上で稼働する「Gemini」のデモンストレーションを公開し、柔軟で高度な対話が可能だとしていました。しかし、実際に提供が開始されたシステムを利用した専門家やユーザーからは、既存の「Googleアシスタント」に簡易的に追加されたような状態にとどまっており、事前の期待を下回っているとの指摘が相次いでいるということです。
音声で連続して対話ができる機能「Gemini Live」については、運転中の情報収集や問題解決に有用だと評価されています。一方で、起動するための特定の音声コマンドが認識されにくいことや、対話の途中でAIの音声が変わってしまう不具合が報告されています。また、スマートフォンと車載システムの間で会話の履歴が同期されない点も課題として挙げられています。
さらに、運転中の操作性についても複数の問題が指摘されています。電気自動車(EV)のような静かな車内であっても、わずかな雑音にAIが過敏に反応し、応答が途切れるケースがあるとしています。加えて、画面上のタッチ操作にAIが反応せず、音声による指示を待ち続けるため、円滑な操作が妨げられる要因になっているということです。
メッセージの返信など、日常的な機能においても利便性の低下がみられます。音声による文章入力の途中で認識が途切れることが多く、運転中の集中を妨げる原因になっているとされています。従来の「Googleアシスタント」と比較して操作の手順が増加し、冗長な応答が多くなったとの声も上がっています。
グーグルは今後、車載システムにおけるAIの統合をさらに進め、機能の改善を図る方針です。しかし、システムの提供に遅れが生じていたことなども指摘されており、利用者の期待に応える安定したサービスを構築するには、まだ時間が必要だとみられています。
