スケッチャーズは、アップルのエアタグを収納できる子供用スニーカーを発表しました。かかとの部分に小さなインサートがあり、これを持ち上げるとエアタグを収納できるスペースが現れるということです。これにより、親は子供の靴の位置を追跡できるとしています。ただし、この靴にはエアタグは付属しておらず、アップルとの正式なコラボレーション製品ではなく、スケッチャーズが独自に開発したものということです。
この靴は7月中旬に発表され、報道は少なかったものの、AppleInsiderが水曜日にこの製品について報じました。アップルはエアタグを鍵や財布、荷物などのアイテムを追跡するための製品として宣伝しており、人間を追跡するためのものではないとしています。しかし、親たちはこの技術を子供の見守りに利用しているということです。既にエアタグ対応のブレスレットやインソール、ピン、模造品のクロックスジビッツなど、エアタグを収めることができる製品が存在しています。
エアタグは意図的に、例えばスクールバスに乗った子供のような高速移動するものを追跡するのには向いていない設計だということです。位置情報共有が有効なiPhoneとは異なり、エアタグには内蔵GPSがなく、代わりにBluetoothビーコニング技術を使用して近くのアップルデバイスに静かに存在を知らせ、エアタグの持ち主にその位置を推定させるという仕組みです。
この技術は悪用される可能性もあり、悪意のある人物が他人のバッグや車にエアタグを隠して追跡する事件も発生し、集団訴訟に発展しました。アップルは、見知らぬエアタグが一緒に移動しているときにiPhoneやApple Watchで通知するなどのストーキング防止機能を導入しています。
スケッチャーズがこの製品を子供用サイズのみで製造しているため、大人が意図せず監視される可能性は低いと見られていますが、このような監視の常態化は育児を超えた影響を及ぼす可能性があると指摘されています。スケッチャーズや他の靴ブランドが、認知症などの症状を持つ大人向けに同様の製品を開発する可能性もあり、これらの用途は善意に基づくものかもしれませんが、大人を同意なしに追跡するために使用される可能性もあるということです。