日本の出版社を代表する団体が、スタジオジブリなどの著作物を無断でAIモデルの学習に使用しないよう、OpenAIに要請したと発表しました。
スタジオジブリは、「千と千尋の神隠し」や「となりのトトロ」などの映画で知られるアニメーションスタジオで、OpenAIの生成AI製品によって特に影響を受けています。今年3月にChatGPTの画像生成機能がリリースされると、ユーザーがジブリ風のセルフィーやペットの写真を作成することが流行しました。OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏も、自身のプロフィール画像を「ジブリ化」したものに変更しました。
現在、OpenAIのアプリ「Sora」やビデオジェネレーターへのアクセスが増える中、日本のコンテンツ海外流通促進機構(CODA)は、OpenAIに対して無断で会員のコンテンツを機械学習に使用しないよう求めています。
この要請は、OpenAIが著作権コンテンツに対して許可を得ずに使用する姿勢を取っていることに起因しています。これにより、ユーザーが著作権キャラクターや故人のセレブリティを生成することが容易になっています。このアプローチは、任天堂やマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの遺産管理団体などからの苦情を招いています。
OpenAIがこれらの要請に応じるかどうかは不明ですが、応じない場合、被害を受けた団体は訴訟を起こすことが可能です。しかし、アメリカの法律ではAI学習のための著作物使用に関する明確な指針がありません。
1976年以来、著作権法は更新されておらず、これまでの判例も少ないです。しかし、最近のアメリカの連邦裁判官ウィリアム・アルサップ氏の判決では、Anthropicが著作権書籍をAI学習に使用したことは違法ではないとされましたが、使用した書籍を海賊版として扱われ罰金が科されました。
一方、日本のCODAは、これが日本では著作権侵害に該当する可能性があると主張しています。「Sora 2のように、特定の著作物が出力として再現または生成される場合、機械学習過程での複製行為は著作権侵害に該当する可能性があります」とCODAは述べています。「日本の著作権制度では、著作物の使用には事前の許可が一般的に必要であり、後から異議を唱えることで責任を免れる制度はありません。」
スタジオジブリの中心的なクリエイティブ人物である宮崎駿氏は、AIによる作品の解釈の広がりについて直接コメントしていません。しかし、2016年にAI生成の3Dアニメーションを見せられた際、「全く興味が持てない」と述べ、「生命そのものへの侮辱だと強く感じる」とコメントしました。
