アメリカのチケット売買仲介大手「スタブハブ」は、チケットの価格表示が不適切だったとする連邦取引委員会(FTC)の指摘を受け、1000万ドル(約15億5000万円)を支払い和解することに合意したと発表しました。
FTCが提出した和解案によりますと、スタブハブは自社のウェブサイト上でチケットの価格を広告する際、必須となる全ての手数料を含めた総額を事前に明確に示していなかったということです。FTCは、これが消費者を欺く行為であり、関連する法律や規則に違反していると指摘しています。
FTCは2025年5月、チケット販売サイトに対し、購入手続きの全ての段階で価格の透明性を確保するよう義務付ける規則を施行しました。しかし、スタブハブは規則の施行後も総額を明記せずに価格を表示していたとされています。
FTCのアンドリュー・ファーガソン委員長は声明で、「スタブハブが規則の最初の主要な違反企業のひとつとなったことは残念だ」と述べました。さらに、同社がプロアメリカンフットボール(NFL)のレギュラーシーズンの日程発表を控えていたため、意図的に規則への対応を遅らせたと指摘しています。経営陣が、消費者を誤解させることで得られる競争上の優位性が、規則違反が発覚するリスクを上回ると判断したということです。
FTCは2025年5月14日にスタブハブへ警告状を送付し、同社は翌日にこの問題を修正しました。今回合意した1000万ドル(約15億5000万円)の和解金は、規則に違反していた3日間の取引を対象としており、消費者へ手数料を返金するために充てられるということです。
スタブハブの広報担当者は、「当社はファンに分かりやすい総額表示を長年支持してきました」とコメントしています。今回の和解については、「2025年5月のわずか3日間の限定的な取引に関するものだ」と説明しました。そのうえで、「FTCの見解には強く反対するものの、購入者の手数料の一部を返金することで懸念に対処する」としています。
FTCは近年、チケット市場に対する監視を強めています。昨年9月には、違法な転売手法や価格に関する消費者の欺瞞を理由に、「チケットマスター」とその親会社である「ライブ・ネーション」を提訴しました。両社は現在、連邦裁判所に訴えの棄却を求めているということです。
また、昨年8月にも、テイラー・スウィフトさんのツアーなど人気イベントのチケットを不正な手法で大量に購入し、大幅に高い価格で転売したとして、メリーランド州のチケットブローカーを提訴しています。
