スマートフォンの特定のアプリの使用を物理的な鍵を使って制限する新しいデバイス「Autonomous Key」が開発され、今月から出荷が始まったということです。利用者の意志の力に頼らず、物理的な手間をかけることで、スマートフォンの使いすぎを防ぐねらいがあります。
画面の表示時間を管理する従来のアプリは、最終的に利用者の意志に依存するため、十分な効果が得られないという課題がありました。
今回開発された「Autonomous Key」は、NFC(近距離無線通信)技術を活用した物理的なデバイスです。専用のアプリと連携させることで、注意をそらすようなアプリをロックできるということです。ロックを解除するためには、画面上のボタンを押すのではなく、スマートフォンで物理的な鍵をスキャンする必要があります。1回スキャンすると最大60分間アプリを利用でき、その後は自動的に再びロックされる仕組みとなっています。
このデバイスの最大の特徴は、物理的な制約を設けている点です。鍵を別の部屋や職場などに置いておくことで、SNSなどを無意識に開いてしまう行動を防ぎ、アプリを使用するためには意図的な行動が必要になるとしています。
価格は約1,400円(9ドル)に設定されています。競合製品である「Blok」の約4,500円(29ドル)や、「Unpluq」の約4,100円(26.50ドル)、「Brick」の約9,100円(59ドル)と比較して、大幅に価格を抑えたとしています。「Brick」には睡眠モードなどの高度な機能が含まれていますが、「Autonomous Key」は基本的な機能を低価格で提供する戦略をとっています。
デバイス本体の長さは約7.6センチメートルと小型で、OSが「Android 8.0」以降、または「iOS 15」以降のスマートフォンに対応しています。
また、専用アプリにはAI(人工知能)を活用した分析機能が搭載されています。アプリのロックを解除した頻度や利用時間などを記録し、利用者の習慣を分析するということです。特徴的な点として、AIがあえて厳しい口調でアドバイスを行う機能があり、ロック直後にすぐ解除を繰り返した場合、「鍵を置く場所が近すぎる」などと提案するとしています。
さらに、多くの制限アプリで求められる定額制(サブスクリプション)の課金は不要としています。1つの鍵を複数のスマートフォンに登録できるため、複数の端末を持つ人や家族での利用にも適しているということです。
一方で、一部の検証によりますと、NFCのスキャンが1回で認識されない場合があるということです。そのため、メッセージやメールなど、頻繁にアクセスする必要がある重要なアプリのロックには適していないとみられています。
鍵を紛失した場合の対応については、アプリがロックされている状態であれば、専用アプリを一度削除して再インストールする必要があるということです。開発元は、今後のアップデートで予備のロック解除方法を追加する方針を示しています。
「Autonomous Key」はクラウドファンディングでの資金調達を経て、現在はベータ版として提供されており、ピンクやオレンジなど5つの色で展開されているということです。
