次世代のモバイル端末として期待される「スマートグラス」について、搭載されたカメラ機能の利便性が評価される一方で、プライバシー侵害への懸念から社会的な忌避感が高まっている現状が浮き彫りになっています。IT業界の専門家などは、一部のユーザーによる悪用や企業側の対応の遅れが、今後の市場拡大における大きな障壁になっていると指摘しています。
スマートグラスは、現実空間にデジタル情報を重ねて表示する「複合現実(MR)」技術の実現に向けた重要なデバイスとして位置づけられています。しかし、現在の技術では高度な視覚表示が難しいため、現時点では音声を中心としたモデルが主流となっています。
その中で、消費者の関心を集めているのがカメラ機能です。アメリカのIT大手「メタ(Meta)」が展開する「レイバン(Ray-Ban)」ブランドのスマートグラスは、AI機能に加え、着用者の視点から手軽に写真や動画を撮影できる点が評価され、人気を集めました。
一方で、カメラ機能を搭載したスマートグラスに対しては、社会的な懸念が急速に高まっています。小型で目立ちにくいカメラの性質上、盗撮などの悪用に対する不安の声が相次いでいるということです。専門家は、こうしたプライバシー侵害に対する懸念は当然の反応であるとしたうえで、企業側の管理体制に問題があると指摘しています。
特にメタ社については、過去の個人情報保護をめぐる問題から、顔認識技術や常時録画機能の導入計画に対する不信感が根強く残っています。さらに、プライバシー保護のために撮影中であることを示すLEDランプを無効化する不正改造が横行していたにもかかわらず、同社が対策を講じるまでに約2年を要したことなどが、消費者からの信頼を損なう要因になったとされています。
こうした状況は、今後市場に参入する他の企業にも影響を及ぼす見通しです。韓国のサムスン電子とアメリカのグーグルは、カメラを搭載したAndroid向けの新型XR(拡張現実)グラスの発表を控えています。サムスン電子は、カメラの不正改造を防ぐ保護機能を導入する方針を示していますが、すでに社会に定着しつつある否定的なイメージを払拭できるかが大きな課題となっています。
カメラ非搭載のスマートグラスも存在しますが、AI機能との連携や、メニューの翻訳、周囲の状況認識など、カメラを活用した機能の利便性は高いとされています。業界全体として、技術の発展とプライバシー保護のバランスをどのように取るのか、長期的な対応が求められています。
このほか、IT業界の最新動向として、次期OS「Android 17」のアップデートに関する情報が発表されています。グーグルの「Pixel」シリーズ向けのベータ版が公開されたほか、サムスン電子も「Galaxy S26」向けに同OSのアップデートの提供を開始したということです。
また、自動車関連では、韓国の自動車メーカー「起亜(Kia)」が、電気自動車(EV)「EV9」について、一部の販売店で1万5000ドル(日本円で約230万円)以上の大幅な値引きを実施しているということです。
