スマートグラスの開発を手がける「XREAL」は、映画視聴などの用途に向けた最新モデルの展開を進めていると発表しました。今年5月に発売されたモデル「a01」について、映像の没入感が高く評価される一方で、機器の発熱や接続方法に課題が残ることが検証を通じて明らかになったということです。
「a01」は、高度なソフトウェアを搭載する他社のAR(拡張現実)グラスとは異なり、主に外部モニターとして機能する仕組みとなっています。本体にバッテリーは内蔵されておらず、USB-Cケーブルでパソコンやスマートフォンなどの端末に接続して使用します。価格はおよそ300ドル(約4万6500円)と、比較的手に届きやすい価格帯に設定されています。
同社は、この製品をゲーム機向けだけでなく、映画やテレビ番組の視聴用としても展開する方針です。実際にパソコンに接続して映画を視聴した検証では、搭載されたデュアルミニOLEDパネルにより、1080pの解像度と最大1600ニトの明るさを持つ鮮やかな映像が確認されました。暗い部屋で使用した場合、最大147インチの画面に相当する没入感が得られ、映画館に近い体験ができるということです。
一方で、いくつかの課題も指摘されています。第1に、パソコンやスマートフォンと同じ映像をグラス上で再生する「画面ミラーリング」の仕組みであるため、接続元の画面を常に点灯させておく必要があり、利便性に欠けるという点です。別売りの専用端末「Beam Pro」(およそ200ドル、約3万1000円)を使用すれば、独立した再生機器として利用できますが、追加の費用が発生します。
第2に、使用中の発熱問題です。小型の機器で映像処理を行うため、使用開始から短時間で本体が熱を持ち、顔に装着する機器としては不快感につながる可能性があるとされています。ただし、重量自体は比較的軽く、装着感は良好だということです。
XREALは、こうした課題の解決に向け、製品の改良を続けています。現在開発中の次世代モデル「Project Aura」では、グーグルとサムスンが開発したOS「Android XR」を搭載する方針です。手の動きを認識するハンドトラッキング機能や、単独で計算処理と充電を行う専用の小型端末が付属し、利便性と没入感が大幅に向上するとしています。
現状では、映画愛好家にとって、大画面のテレビや映画館での視聴体験を完全に代替するには至っていません。しかし、スマートグラス市場は進化を続けており、次世代モデルの登場によって消費者の視聴スタイルがどのように変化するのか、今後の動向が注目されています。
