アメリカの語学学習アプリ大手「デュオリンゴ(Duolingo)」は、これまで有料や制限付きで提供されることが多かった上級者向けの学習コンテンツについて、9つの言語を対象に無料で提供を開始したと発表しました。
対象となるのは、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、日本語、韓国語、中国語の9言語です。ウェブブラウザのほか、iOSやAndroidのスマートフォン向けアプリで利用できるということです。
今回無料で提供されるコンテンツは、語学力の国際的な指標である「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」の「B2」レベルに相当します。このレベルでは、翻訳に頼らない学習教材や、複雑な状況設定、専門的な語彙が含まれます。
新たな機能として、読解力を高めるための「アドバンスド・ストーリーズ」や、ポッドキャスト形式でリスニング力を鍛える「デュオ・ラジオ」などが追加されます。これにより、利用者は就職面接の練習や留学の準備、翻訳なしでのニュース記事や映画の理解など、より高度なスキルを身につけることができるとしています。
同社によりますと、これら9言語で上級レベルの学習を完全無料で提供するアプリは、デュオリンゴが唯一だということです。競合他社であるバベル(Babbel)やブスー(Busuu)などのサービスでは、上級コースは通常、有料のサブスクリプションが必要となります。例えば、ブスーではB2レベルのコースが一部用意されていますが、無料版は機能が制限されており、文法解説などの本格的なレッスンを受けるには有料プランへの加入が求められます。デュオリンゴもこれまでは、日常会話を中心とした基礎レベル(A2またはB1)までの無料提供にとどまっていました。
デュオリンゴは今回の無料化について、グローバル化が進む労働市場において、語学力を高めることが就職に有利に働くとして、求職者へのアピールを強化する方針です。アメリカ外国語教育協議会(ACTFL)の調査では、第2言語を習得することで、雇用される可能性が最大で50%高まると報告されています。
同社の学習科学部門の責任者であるボゼナ・パヤク氏は、「これまで就業に必要なレベルの語学力を身につけるには、高額な授業料や留学が必要であり、多くの人にとって手が届かないものでした」とコメントしています。
さらに、上級コンテンツの無料化は、無料ユーザーの基盤を拡大する同社の戦略の一環でもあります。同社の第4四半期の決算発表によりますと、1日あたりのアクティブユーザー数は前年同期比30%増の5270万人に達し、有料会員数の1220万人を大きく上回っています。一方で、2026年第2四半期の売上高の成長率がわずかに鈍化するとの見通しを示したことから、同社の株価は下落したということです。
