アメリカの動画配信大手ネットフリックスは、人気ドラマ「ウォーキング・デッド」シリーズを世界に向けて配信するため、およそ5億ドル(約775億円)とされる大規模なライセンス契約を結んだと発表しました。
制作を手がけるアメリカのAMCグローバル・メディアが木曜日に発表したところによりますと、両社は複数年にわたる世界的なライセンス契約を締結したということです。これにより、ネットフリックスは「ウォーキング・デッド」のオリジナルシリーズと、6つの派生作品に関する共同の独占配信権を獲得します。対象となるのは、シリーズ全体で合わせて371話に上るとしています。
ネットフリックスは2011年以降、アメリカ国内において同シリーズを独占的に配信し、多くの視聴者を獲得してきました。今回の新たな契約により、配信地域はイギリス、イタリア、オーストラリア、ニュージーランドなどにも拡大されるということです。
一方で、今後はAMCの独自の配信サービス「AMC+」と配信権を共有することになります。このため、ネットフリックスが10年以上にわたって維持してきた完全な独占配信の体制は終了する方針です。
今回の契約額とされる5億ドル(約775億円)は、近年のテレビ番組のライセンス契約において最高額の部類に入ります。比較として、2020年に動画配信サービスのHBOマックスが「フレンズ」の配信権をネットフリックスから獲得した際の契約額は、4億2500万ドル(約659億円)でした。
ネットフリックスの事業戦略の背景には、視聴者の動向の変化があります。最近のデータによりますと、新しい番組のシーズン2以降を継続して視聴しない利用者が多いことが示されています。そのため、すでに数百話が制作されている人気シリーズを配信することが、長時間の連続視聴を促し、全体の視聴時間を伸ばすうえで確実な手法だと判断したとみられます。
2027年からは、世界中のネットフリックス利用者が、「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」や「デッド・シティ」、「ダリル・ディクソン」など、すべての派生作品を視聴できるようになるということです。
今回の契約は、「デッド・シティ」のシーズン3の公開に合わせて結ばれました。さらに、2027年には「ダリル・ディクソン」の最終シーズンの公開も予定されています。
ネットフリックスはこれまでにも、利用者の関心を引きつけるため、人気番組の獲得に力を入れてきました。「ジ・オフィス」などの配信権に巨額の資金を投じてきたほか、今年に入ってからは「セサミストリート」の配信契約も結んでいます。
一方で、今回の発表はAMCネットワークスの業績見通しにも好影響を与えています。同社は木曜日の四半期決算の発表に合わせてネットフリックスとの契約を公表し、この契約を理由に今後の業績予想を上方修正したということです。
