動画配信大手のネットフリックスは、自社のアプリ内に縦型動画のフィード機能を今月中に導入するほか、コンテンツ制作やおすすめ機能にAI=人工知能を幅広く活用する計画であると発表しました。
同社は昨年から縦型動画のフィード機能を試験的に導入していました。この短い動画の機能により、利用者は既存の番組や映画に加え、ビデオポッドキャストなどの新たなコンテンツを見つけやすくなるということです。また、昨年には対話型AI「ChatGPT」を活用した検索機能を導入しており、今後はおすすめ機能にもAIの活用をさらに進める方針です。
共同最高経営責任者(CEO)のグレッグ・ピーターズ氏は、第1四半期の決算会見で「私たちは20年にわたり、おすすめ機能の個別化に取り組んできましたが、最新の技術を活用することでさらに改善できる大きな余地があります」と述べました。新しいモデルに基づいたシステムにより、個別化の精度が向上するだけでなく、多様なコンテンツへの対応もより効率的に行えるようになるとしています。
また、共同CEOのテッド・サランドス氏は、生成AIがコンテンツ制作のプロセス全体を向上させるとの見方を示しました。「素晴らしい作品を作るには優れたアーティストが必要であり、その点はAIでも変わりません。しかし、AIはアーティストの構想を実現するためのより良い道具になる」と述べています。
ネットフリックスは先月、俳優のベン・アフレック氏が設立したAI制作会社「インターポジティブ」を買収しました。サランドス氏によれば、この買収により自社の生成AIの能力が加速するということです。同社の技術は映像制作者向けに特化して開発された独自の技術であり、すでにクリエイターからの関心を集め、導入に向けた動きが活発化しているとしています。
さらに、広告事業においてもAIを活用し、新たなフォーマットの提供やカスタマイズを通じて収益性を高める方針です。同社は今年の広告収入が30億ドル(約4650億円)に達すると見込んでいます。
同時に発表された2026年第1四半期の決算によりますと、売上高は前年同期比16.2%増の122億5000万ドル(約1兆8988億円)、純利益は83%増の52億8000万ドル(約8184億円)と大幅な増益となりました。また、共同創業者で会長のリード・ヘイスティングス氏が今年の夏に取締役を退任することも明らかになりました。
同社は昨年末時点で3億2500万人の有料会員を抱えています。先月下旬にはアメリカ国内で月額料金の引き上げを実施しており、次の四半期の業績にプラスの影響を与える可能性があるとみられています。
