アメリカ・マサチューセッツ州のスタートアップ企業「ノーブル・カーボン」は、家庭の配電盤を大規模に改修することなく、EV(電気自動車)の充電器などを容易に設置できる新型の回路ブレーカーを開発し、10月にサンフランシスコで開催される技術イベントで披露すると発表しました。
EVの普及が進む中、自宅に充電器を設置する際、配電盤の容量不足から大規模な改修が必要になるケースが多くなっています。ある調査によりますと、配電盤のアップグレードによって充電器の設置費用が2倍以上に膨れ上がることもあるということです。
この課題を解決するため、ノーブル・カーボンは既存の配電盤を交換せずに済む新型ブレーカーを開発しました。同社は、10月に開催される技術イベント「テッククランチ・ディスラプト」のピッチコンテストに参加する新興企業200社のうちの1社に選ばれており、会場でこの技術の詳細を公開する方針です。
開発された新型ブレーカーは、EV充電器に供給する電力量をリアルタイムで調整する機能を備えています。同社のマーケティング責任者であるスペンサー・フィールズ氏によりますと、一般的な家庭の配電盤は、すべての家電を同時に使用するような「年に数時間しか発生しない最大電力消費」を想定して設計されているということです。
例えば、休日に給湯器、エアコン、オーブン、複数のテレビなどを同時に使用した場合、新型ブレーカーは制御下にある機器への電力供給を自動的に抑えます。これにより、家全体の消費電力が配電盤の容量を超えないようにする仕組みだとしています。フィールズ氏は「配電盤の改修を避けるためには、消費電力の大きい3つから6つの機器を制御するだけで十分だ」と述べています。
この製品は、共同創業者でCEO(最高経営責任者)のジャレッド・レボス氏が、母国である南アフリカで計画停電を経験したことをきっかけに考案されました。その後、共同創業者でCTO(最高技術責任者)のアンドリュー・クレーン氏とともに製品化を実現したということです。
会社側によりますと、新型ブレーカーは既存の配電盤の空きスロットに適合し、5分未満で設置が可能だとしています。現在、国際的な電気安全規格である「UL認証」の取得に向けた審査が進められています。また、今後の事業戦略として、電力会社のエバーソースと提携し、マサチューセッツ州内の最大200戸の集合住宅にこのブレーカーを導入する方針です。
