スマートフォン向けの短尺ドラマ、いわゆる「マイクロドラマ」の市場が急速に拡大するなか、業界関係者などは、アメリカ・ハリウッドの著名な俳優やクリエイターが相次いでこの分野に参入していると発表しました。
マイクロドラマは、スマートフォンでの視聴を前提とした数分間の連続ドラマです。視聴者を引きつけ、次のエピソードへの課金を促すため、劇的な展開が特徴となっています。
この形式は中国で人気を集めた後、国際的に急速に普及しました。調査会社オムディアは、今年のアメリカにおけるマイクロドラマの収益が15億ドル(約2325億円)に達する見込みだと発表しました。「ReelShort」や「DramaBox」などのアプリが台頭しているほか、TikTokも今年、独自のアプリ「PineDrama」を立ち上げて市場に参入しています。
こうしたなか、ハリウッドの才能ある人材が、新作への出演や制作会社の設立、プラットフォームへの投資などを通じて関与を深めているということです。
背景には、映画スタジオがより安価で迅速なコンテンツ制作の手法を模索していることや、俳優やスタッフの雇用機会が減少している状況があります。同時に、短い動画が視聴者の関心を集めていることから、マイクロドラマはエンターテインメント業界の新たな市場として魅力が高まっているとしています。
具体的な参入事例として、俳優のジェームズ・フランコ氏が挙げられます。同氏は、アプリ「Shortical」で独占配信されるドラマに出演しています。この作品は、アメリカの俳優組合(SAG-AFTRA)が低予算のマイクロドラマ向けに新設した契約に基づいて制作された初期のプロジェクトの一つであり、ハリウッドの人材にとって新たな機会を創出する可能性があるということです。
また、俳優でクリエイターのイッサ・レイ氏の制作会社は、TikTokの「PineDrama」と提携し、スリラー作品を公開しました。この作品は公開後すぐに人気を集め、これまでに1億5000万回以上の再生回数を記録したということです。
さらに、俳優のジェシー・タイラー・ファーガソン氏も、縦型動画プラットフォーム「aTwist」向けのミュージカルコメディ作品に参加する方針です。
俳優のテイ・ディグス氏は、プラットフォーム「CandyJar」の作品に主演兼製作総指揮として参加しただけでなく、独自の縦型動画プラットフォーム「Microhouse Films」を立ち上げました。クリエイターが作品の制作や収益化をより管理しやすくすることを目指しているということです。
このほか、タレントのキム・カーダシアン氏も、母親のクリス・ジェンナー氏らとともに、プラットフォーム「GammaTime」に投資を行っており、著名人による市場への参入手法が多様化していることを示しています。
