音響機器大手のパイオニアは、既存の自動車に取り付け可能な市販の車載器として、世界で初めて立体音響技術「ドルビーアトモス」に対応した新製品「Pioneer Sphera(パイオニア・スフェラ)」を発売したと発表しました。
パイオニアは2014年にいち早く「Apple CarPlay」を既存の自動車向けに導入しましたが、今回新たな技術を市場に投入する方針です。同社によりますと、新製品(型番:DMH-WT8000NEX)は、市販の車載システムとして初めてドルビーアトモスの再生をサポートしているということです。
これまで、車内でのドルビーアトモスや空間オーディオの体験は、専用の音響システムをあらかじめ搭載した一部の車種に限定されていました。今回の新製品により、数百万台にのぼる既存の自動車でも、すでに搭載されているスピーカーを活用して没入感のある音響体験が可能になるとしています。
パイオニアは、独自の「Pure Autotuning(ピュア・オートチューニング)」技術を活用し、既存の前部および後部スピーカーを用いた4チャンネルのシステムで最適な音響空間を実現する方針です。車内の広さや形状、材質などの音響環境の違いを自動で測定し、音の到達時間や周波数特性を精密に調整することで、制作者の意図に忠実な音響体験を提供するということです。
また、この製品は10.1インチの高精細ディスプレイを搭載しています。大画面を活かした分割画面モードのほか、ナビゲーションの補助や音楽と連動して光る「ルミナスバー」機能を備えています。さらに、ワイヤレスでのCarPlayやAndroid Auto、Bluetooth接続にも対応しており、車内での利便性を高めているということです。
販売価格は1,299.99ドル(約20万円)で、現在アメリカの小売店などを通じて出荷が開始されています。既存の自動車にワイヤレスのCarPlay環境を導入し、高音質な音楽配信サービスを楽しみたい消費者に向けて、新たな選択肢を提供する狙いがあるということです。
