中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)は、アメリカの半導体大手エヌビディアに対抗するため、次世代のAI=人工知能向け半導体の市場投入を当初の計画から前倒しし、2027年の第1四半期に行うと発表しました。
ファーウェイの広報担当者によりますと、次世代AI半導体「Ascend(昇騰)960DT」は、当初2027年の第3四半期に投入される予定でした。しかし、自社イベントの中で、汪涛(デビッド・ワン)輪番会長がスケジュールの前倒しを明らかにしたということです。
広報担当者は「予定より早く投入されることで性能は倍増し、年々進化を遂げている」としています。今回の発表は、9月24日にアメリカの首都ワシントンで予定されているトランプ大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談のわずか1週間前に行われました。
ファーウェイは、数十万から数百万のAI半導体を連携させ、1つの巨大なコンピューターとして機能させる戦略を進めています。同社はこの技術を「Peerium Computing Architecture」と呼んでおり、プロセッサーやメモリーなどを接続する独自の通信技術を活用する方針です。
徐直軍(エリック・シュー)輪番会長は声明の中で、この新たな設計基盤を用いて、AIの学習と推論の両方に対応する大規模なコンピューティングシステムを構築していると説明しました。その第1弾となるシステムでは、最大25万6000個の計算処理用カードを接続できるとしています。
一方で、専門家からはシステム全体の規模について疑問の声も上がっています。中国のIT技術に詳しいアナリストのルイ・マ氏は、以前の計画に比べて今回発表されたシステムの接続規模が縮小していると指摘しました。そのうえで、アメリカによる先端半導体技術の輸出規制について、「中国にとって技術の自給自足は極めて重要になっており、開発を阻止しようとするのは無意味だ」と述べています。
AIの開発競争をめぐっては、アメリカのトランプ大統領が「中国に対する優位性を維持する必要がある」として、安全上の懸念から開発の減速を求める声に反発しています。これに対し、ファーウェイの徐輪番会長は「中国はアメリカに追いつくためにAI開発を加速させる必要がある」と主張しており、米中間の技術覇権争いが一段と激しさを増しています。
