リアルタイムで航空機の運航状況を提供するアメリカの「フライトアウェア(FlightAware)」は、予測市場を運営する「カルシ(Kalshi)」が、自社のデータを無断で使用して航空機の欠航に関する賭けの市場を提供しているとして、カルシを提訴したと発表しました。
訴状などによりますと、カルシはおよそ1か月前から、アメリカ国内や特定の空港での欠航便数を予測して賭けるサービスを開始しました。フライトアウェアは、カルシが事前の許可なく自社のデータや名称を使用していると指摘しています。また、データの使用停止を求めたあとも、フライトアウェアのブランド名や情報が表示され続けているということです。
フライトアウェアは、「カルシから賭けの結果を判定するために自社のデータを利用するという通知は一切なかった」と主張しています。メディアが新たな予測市場について報じるまで、欠航に関する賭けが行われている事実を把握していなかったとしています。
カルシや「ポリマーケット(Polymarket)」などの予測市場プラットフォームでは、政治的な選挙の結果からミュージシャンのアルバム売上枚数まで、将来のさまざまな出来事に対して利用者が賭けを行うことができます。
これらの市場では、内部者取引(インサイダー取引)が規則で禁止されているものの、不正に操作される危険性が指摘されています。過去の事例として、ポリマーケットの利用者が、ベネズエラのマドゥロ大統領が1月末までに失脚することに3万2000ドル(約496万円)を不審な形で賭けたケースがあります。その数時間後にアメリカ軍がマドゥロ大統領を拘束したため、この利用者は40万ドル(約6200万円)の配当を得たということです。また、ホワイトハウスでプロンプター(原稿読み上げ機)を操作する担当者が、大統領の演説内容を事前に知る立場を悪用し、カルシでの賭けを通じて10万ドル(約1550万円)以上の利益を得た疑いも報じられています。
フライトアウェアは、こうした賭けの市場が悪用された場合、意図的に航空機の運航が妨害されるおそれがあり、乗客や空港職員の安全を脅かす危険性があると警告しています。
同社は陪審員による裁判を求めており、具体的な損害賠償の請求額は明らかにしていないということです。
